タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

カッコウの残酷な生き方

 この2週間ほど、毎日のようにカッコウが鳴いている。今朝のウォーキングの際中、近くで鳴き声が聞こえたので前方の上空を探したら、そこに2羽のカッコウが飛んできて電線につかまり、カッコー、カッコーと鳴き始めた。

 カッコウは渡り鳥で、この辺りへは5月中旬ぐらいから渡って来て繁殖行動を始める。オスは大声でカッコーと鳴き、自分の縄張りを主張しながら「僕と結婚してください」とメスにPRする。今朝見た2羽はペアリングが決まったオスとメスなのであろう。これから交尾に向かうのであろうか? カッコウは托卵と言って、自分より小さめの他種の巣に卵を産み付け、自分では子育てをしない。カッコウの雛鳥は卵から一番先に孵り、その後に孵った他種の雛鳥を次から次へと巣の外へ追い落として殺してしまう。このようにして、他種の親鳥が運ぶ餌を独り占めにしてカッコウは成長する。カッコウの雛は、夏には親鳥よりも大きくなるが、親鳥は自分の子供と信じて給餌を続ける。夏も終わりに近づくと、カッコウの体の中に渡り鳥の本能がうずき始める。そしてある日突然、カッコウはそれまで育ててくれた親鳥の恩に何等感謝もせず、本能の命じるままに、単独で南の空に旅立つ。カッコウは鳴き声を聞くだけなら、非常にイメージの良い鳥なのだが、その生態を知ったら最後、絶対好きにはなれない鳥となる。
 この辺りで托卵の対象となる鳥は何であろうか? モズ? ムクドリ? 分からない。そう言えば、モズの巣もムクドリの巣も見たことがない。まだまだ分からないことは一杯ある。だから興味の種は尽きず、そしてこれがボケ防止の一番の薬になる。

P.S.
 童謡「静かな湖畔」の1番にカッコウが登場する。YouTube動画では、
  静かな湖畔の森の影から、もう起きちゃいかがとカッコーが鳴くー♪
と歌っている。ところが、私は小学生の頃、音楽の授業で
  静かな湖畔の森影近く、 起きてはいかがと鳴くよカッコー♪
と習った。これは元々ドイツの歌であったが、どうも、日本語への訳が2つできたようである。とにかく富山県の小学校では「起きてはいかが」と習った。
 音楽に関してもう一つ、富山県独特の言い方がある。日本標準では、曲の「1番」、「2番」と言うが、富山県では「1題目」、「2題目」と言う。「1題目は低学年だけ、2題目からは高学年も入って全校生徒で歌います」と言うように表現する。東京の音大を出た人が富山へ戻って音楽の先生をする時も、きっと地元の言葉を使って「1題目」、「2題目」と言うのであろう。