タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

宗教という必要悪

 安倍晋三元首相襲撃事件から4週間が経過した。この事件により、旧統一教会の悪質な行為がワイドショウで連日取り上げられ明るみになった。はっきり言って、これは宗教団体ではなく、宗教という隠れ蓑をまとった暴力団である(使うのは「地獄に落ちるぞ」を常套句とする心理的暴力)。これを機に、政治家も宗教法人との関係を見直し、必要な法律を作って、こういう反社会的な行為を行う団体を取り締まるべきである。
 世の中には必要悪というものがある。旧統一教会の力を借りた政治家は多数いるようだが、多分選挙の際に必要悪ぐらいに考えて関係ができてしまい、その関係がいつしか常態化してしまったのだろう。ただ私に言わせれば、宗教自身が必要悪である。私は宗教を「心の鎮痛剤」だと思っており、これが強過ぎると正常な理性を働かなくする麻薬にもなる。そして、この宗教を広めようとする教団のトップ集団は、権力欲に溢れる者たちの集まりだから、政治家はとにかく心して付き合わなければならないのである。
 先日、米国最高裁で、女性の人工中絶権を認めた1973年の判例を破棄する決定が行われた。これにより人工中絶を認めるか否かは、各州の権限に委ねられることになった。キリスト教は人口中絶を認めていない。この決定は、米国の政治にも宗教団体の力が反映することを示している。
 イスラム教にはスンニ派シーア派があり仲が悪い。そしてこれが国同士の戦争に発展する場合がよくある。十字軍はキリスト教イスラム教の戦争だったし、今ウクライナで行われている戦争は、キリスト教カトリックプロテスタント)対ギリシャ正教の戦いの構図に見えなくもない。とにかく、政治に宗教が絡むとろくなことがないと思う次第である。