タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

CO2センサ

 新型コロナ対策(三密対策)の一つとして、飲食店での「CO2センサ」の導入が推奨されていると言う。TVニュースの映像では、リアルタイムに測定結果が出ていたようだったので、どのように測定できているのか その原理を調べてみた。
 二酸化炭素濃度の測定は、光学式、電気化学式、半導体式と3種類あるようだが、今回ニュースで紹介されたセンサは光学式であり、原理としては、ガス(CO2)が持つ特有の吸収波長領域を利用して、光源から発せられた赤外線がガスによりどの程度吸収されたかを赤外線センサにて計測し、ガスが無い場合のセンシング量と比較して濃度を算出する方式となっている。
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 上図は非分散型赤外線吸収法の基本構造を示している。赤外線ガス分析は非分散型(NDIR: non dispersive infrared)と分散型(分光型)の2種類有り、非分散型とは、赤外線光源から出る広い波長帯の赤外線をそのまま測定に使用するタイプであり、一方 分散型は照射する赤外線をプリズムにて波長別に分けて測定するタイプである。今回、ニュースで紹介されたのは「非分散型」である。
 ということで、CO2センサは、赤外線を計っている。新型コロナで一気に広まった非接触体温計も赤外線を計っている。どちらも赤外線を計っているから、リアルタイムで計測結果が出るわけである。



前期高齢者半年点検

 今日は半年点検となっている前立腺がん腫瘍マーカーの検査日。この腫瘍マーカーPSA と呼ばれていて、一般男性の健康診断項目にも含まれている。PSAの基準値は4.0以下であり、私は2018年にこの値が4.2となって要観察状態に入り、以降この3年間の検査ではずっと 4.2~4.8 の間を行ったり来たりしていた。ところが今日の検査ではPSA=6.55に跳ね上がってしまい、再検査として前立腺MRI検査を受けることになった。
 一般の人ならさぞ心配になるかも知れないが、私はさほど心配していない。だいたい、前立腺がんは進行が遅いガンであり、80才以上の男性の20%程度は前立腺がんだと言われている。つまりこのガンと共存しているのである。また、もし悪性のガンだったとしても、前立腺がんは男性において手術後の5年生存率が一番高いガンである。医者が言う通りにやっていれば、このガンで命を落とすことはないだろう。
 今日の県立病院の事務で一つ改善があった。半年前来た時は、診療後の精算窓口でまず請求書をもらい、次に精算機に向かって精算処理をする形であったが、今日は、電光掲示板に精算処理が完了した受付番号が表示されてから、直接精算機に向かって精算処理をすると、精算機から「領収書」と「診療明細書」と「次回予約票」がプリントアウトされる仕組みに変わっていた。ふと、『後期高齢者の中には、システム化やその変更について行けない人がいるだろうな』と思った。
 今日は人間の定期点検だったが、明日は車の定期点検である。私はもう直ぐ66才、車は11才。車の6倍も、しかも昼夜の別なく24時間ずっと使い続けているのだから、そりゃあどこかにガタも来るでしょう。むしろ、人並み以上の耐久性で頑張ってくれている自分の肉体に感謝しないといけない。親からもらった大切な財産なのだから。

学生寮の想い出

 今日は今年初めてのパークゴルフ。案の定、成績はひどいものだったが、晴天の立山連峰を彼方に見ながらのゴルフは、やはり気持ちが良かった。帰って来たら、自宅のポストに、A4版のボール紙の包装でメール便が投函されていた。中を開くと、私が大学生だった頃住んでいた学生寮の開館111周年記念の冊子が入っていた。
 私が住んでいた学生寮は「明倫学館」と言われ、加越能育英社が運営していた。加越能育英社とは、昔加賀100万石と言われた加賀藩を構成する「加賀」、「越中」、「能登」の頭3文字を取って命名された、石川県と富山県出身の学生を支援する公益財団法人である。
 記念冊子の中には、落語家 立川志の輔 の特別寄稿文も載っていた。それを読むと、彼は私より二つ上であり、明倫学館の入館試験で不合格となったが、同じ高校出身の友人が入館できたので、金欠になるとその友人を頼って明倫学館を訪れ、夜10時の残食(20円)や先輩からのおごりのご馳走で生活を繋いでいたと書いてあった。
 今もそうだが、昔は富山県や石川県から子供を東京の大学に通わすのは大変なことだった。一般の家庭にはそんなお金がない時代だったので、結果的に大学の寮は貧乏人の息子の集まりとなった。皆「おれのウチの方がお前のウチより貧乏だ」と、まるで貧乏の方が偉いと言わんばかりに貧乏であることを自慢し合った。これは当時、マルクスレーニン主義が根強い支持を受けている中、ブルジョワジープロレタリアートの対立の構図の影響を受けて、「我こそは貧乏生活の中でも精神は貴族である」と言いたかった学生たちの姿を表している。私も自慢ではないが、加越能育英社の寮と、日本育英会および畠山財団の奨学金で学生生活を何とか全うできたと思っている。当然、寮の中でも貧乏レベルは相当高い方だった。
 回り中 貧乏人ばかりで生活しているから、誰も貧乏を苦と思っていなかった。私が入館した昭和49年は、前年に起こったオイルショックの影響を受け、狂乱物価の真っ最中であった。実家からの仕送りが上がらないのに物価がどんどん上がっていった。朝晩は寮の飯、昼は大学のコープ食堂で何とか食いつないだ。ある時、寮に泥棒が入り仕送り封筒に入っていた なけなしの1万円を盗まれた。親にも言えず、絶望のどん底に突き落とされたはずで、その一時の記憶は残っているが、その後どのように生き延びたのか思い出せない。きっと、朝晩の食事が確保できていたので、記憶に残るほどの辛い思いはしなかったのだろうと想像される。
 4年間の大学生活は私にとって基調な財産になったが、その貴重な財産の8割ぐらいが寮生活で産み出されたものである。寮の先輩から色んなことを学び後輩へ伝授した。みんなでよく居酒屋に行っては、「民主主義とは・・」とか「原子力発電所の問題点」とか「国鉄の順法闘争を支援すべきか」とか、青臭い議論を沢山した。何ともなつかしい限りである。

町内会役員任務終了

 今日は町内の総会があった。昨年は新型コロナ感染拡大の中、多人数の集会は相次いで中止となったが、今年は第4波襲来の前、人数制限+ソーシャルディスタンシングで総会を実施した。そして、この総会での決議をもって新体制に引継ぎとなった。2年間務めた町内会役員の任務を完了でき、肩の荷が降りた。
 6年前は、隣に住む人も良く分からない、階が違えば全く分からない、そんな東京でのマンション暮らしであったが、富山に引っ越してからは、地域住人とのつながりが否応なしに増えた。それまでの仕事一辺倒の生活から、次第にその仕事のウエイトが減り、家事や家庭菜園での作業とともに地域コミュニティの中での時間が増えていった。今では年金暮らしで、第二の人生真っただ中となっている。
 総会から帰って来たら、自宅裏の田んぼにトラクターが入っていて田起こしをやっていた。今年初めてツバメを見た。世間は「コロナ第4波」で何かと騒いでいるが、自分は自分の道を歩いていけば良い。何か妙に達観した気分になった。

 夜は、昔同じ職場で仕事をした仲間とオンライン飲み会をした。皆元気そうで何よりだった。
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遺伝子解析とDNA解析とゲノム解析

 新型コロナウイルスの変異株による感染が拡大する中、一部の検体は国立感染症研究所に送られ検査されているという。変異株か否かはPCR検査では分からないので、ウイルスの持つ遺伝情報の更なる解析が必要となる。最近のニュースで、国立感染症研究所が行っているこの解析を「ゲノム解析」と言っていた。今まで「遺伝子解析」や「DNA解析」という言葉があり、人が持つ遺伝情報の解析が親子鑑定や犯人特定に役立っていることは知っていたが、ウイルスに対しては「ゲノム解析」という言葉を使うようなので、どこが違うのか調べてみた。
 まず、生物が持つ遺伝情報の一揃いをゲノムと言う。一般に生物は、このゲノムがDNAの中に格納されている。一方でコロナウイルスのゲノムはRNAの中に格納されている。DNAは長いはしごの形をしていて、RNAはそのはしごを縦に真っ二つに切り分けた時の片方だと思えば良い。すなわち、人の遺伝情報を解析する場合は「DNA解析」と言う言葉は適当だが、コロナウイルスに対して「DNA解析」という言葉を使うと間違いになる。よって、より一般的な言葉である「ゲノム解析」という言葉を使うわけである。
 次に、「遺伝子解析」と「DNA解析」や「ゲノム解析」の違いを説明する。ゲノムには、長い長い塩基文字列が書いてある。塩基文字は4種類あり、A(アミン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)である。これらの連続する3文字(コドン)がある特定のアミノ酸を意味する。そして、ゲノム上のこのコドン配列でアミノ酸配列が決まり、そのアミノ酸配列で蛋白質が決まるという風に遺伝情報が蛋白質へと翻訳される。ある特定の蛋白質を遺伝子と呼び、それが書いてある領域を「コーディング領域」と呼ぶ。人の場合、コーディング領域はゲノムの中のほんの一部になる。
 すなわち、「遺伝子解析」では、ゲノムの中のほんの一部となる「コーディング領域」のみを解析する。しかも一般的には、全ての遺伝子ではなく、ある特定の対立遺伝子(例えば、血液型でA型、B型、O型があるような複数タイプ存在する遺伝子)のみ解析することが多い。一方で「DNA解析」や「ゲノム解析」においては、遺伝子(蛋白質)に拘らず、アミノ酸配列、あるいは塩基文字列(A,T,G,C)を解析する。

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 上図は新型コロナウイルスのゲノムを示す。このゲノムには全体で3万文字程度の情報が書いてある。Sと書いてある領域がスパイク蛋白質がコーディングされている領域であり、この領域のアミノ酸配列に変異が起こったものを変異株と呼んでいる。例えば、英国株はN501Yと呼ばれており、この領域のアミノ酸配列の501番目が、アスパラギン(N)からチロシン(Y)へ置換している。
 ウイルスをゲノム解析すると、個々のウイルスをより細かく系統分類できる。すなわち、同じ英国株の中でも、501番目以外の変異個所を比較することで、英国株-1系統、英国株-2系統という風に分類することができる。そしてこれは、感染経路がより細かく精緻に解析できることを意味する。

 



富山で新型コロナ感染者29人変異株5人

 昨日の富山県内の新型コロナ新規感染者が29人となり、また、今月の感染者の内5人が変異株と発表された。富山県でも第4波への入り口まで来ているように思えるが、県独自のアラートを出すことは見送られた。29人中25人が、既に感染が判明している人との濃厚接触者や関係者であり、不特定多数による市中感染の状況ではないと判断されたからである。
 昨年のこの時期、富山県においては、市民病院および高齢者介護施設で起きたクラスターにより、医療崩壊にも繋がりかねない逼迫した状況であった。その時の新規感染者数が1日14,5人程度であったが、病院スタッフの多くが自宅待機状態に陥ってしまい、大変な状況になっていた。一方で今年は、感染者の数では昨年より多いが、今日時点で医療体制への負荷も限定的であり、まだ落ち着いた状況である。1年前とは大違いである。皆この1年で学習し対応能力を付けたのである。
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 上図は昨年4月の全国での新型コロナ感染者の推移を表している。今年は人数においては、昨年の数倍のレベルになっているが、状況的には1年前と実に良く似てきた。似ている要因の一つは変異株の影響である。昨年は3月初旬まで武漢株が主流で、これは感染力が弱かったため何とか持ちこたえられていたが、欧州で変異した感染力が高い欧州株が入って来てから感染拡大のスピードが一気に上がってしまった。今年はその欧州株が更に変異して英国株や南ア株が出現しており、更なる拡大が懸念されている。もう一つ似ている要因は季節性のイベントであり、「季節要因」と言って良い。3月下旬から4月上旬は、卒業式や送別会、引っ越しから歓迎会に至るまで、とにかく感染機会が盛沢山にあるわけで、これが感染拡大の一大要因となる。つまり、いつも同じ時期に感染拡大のピークとなるわけである。
 上記感染拡大要因に対し、感染抑止施策を効果的に行えば、この第4波も昨年のように4月中旬でピークアウトする形で乗り切れることが期待できる。ただ問題は「効果的な感染抑止策」とは何かである。もう1年前の個人の自由に制限を課すような強力な行動制限ができない中で、「夜8時までの時短営業」ぐらいしか対策手立てを持たない行政側に期待するのは望み薄のようにも思える。
 世の中には「感染抑止第一主義」の人がいて、一方で「防疫経済バランス主義」の人がいる。そしてこの2派が二手に分かれてせめぎあい、世論を形成する。行政側の感染抑止策は世論の動向を見ながら実施される。やり方は双方に配慮するから、どうしても中途半端になる。そして双方どちらともに不満が残る。
 みんな一番不満に思うのは、感染が再拡大して「またか!」と思う時である。「感染抑止第一主義」派は、『ブレーキを踏むのが遅過ぎた』とか『ブレーキからアクセルに切り換えるのが早過ぎた』と不満に思う。一方で、「防疫経済バランス主義」派には、経済的に実際困っている人達が沢山いるから、『何で自分たちばかりにしわ寄せが来るのだ』と不満に思うことになる。最初から「感染が再拡大した時は再度ブレーキを踏みますよ」と言ってあるのに、ほとんどの人が『これが最後の波』だと思っている、あるいは願っている。最後の波になるのは、みなワクチンを打って集団免疫ができた時である。それまでは、アクセルとブレーキを交互に繰り返すのである。そしてみんなが不満に思っている日本の感染対策は、欧米に比べてはるかに感染が抑えられている対策になっており、また中国や韓国に比べて個人の自由やプライバシーが尊重される形になっていると、私は個人的に思う次第である。

日本人の3/4が陰のワクチンを接種済み

 昨日、言論プラットフォーム アゴラ(AGORA)のサイトに『日本人は「T細胞記憶による交差免疫」で新型コロナを撃退している可能性について』という非常に興味深い記事が載った。私はかねてより、『FactorーXの正体は交差免疫である(12/20ブログ)』と主張しており、最近は、4/1のブログで、このFactor-Xを「陰のワクチン」とも称している。この記事の内容は私の主張とほぼ合致するので、今日はこの記事に沿って私見を織り交ぜながら、新型コロナウイルスに対して日本が今後どうすべきかを考えてみたい。
1.日本人が交差免疫を持っている根拠
 アゴラ記事では、日本人感染者52症例を調査した結果を「抗体の出現パターン」で層別し、75%が交差免疫有りのパターンであったと結論付けている。
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2.IgM抗体とIgG抗体、交差免疫の主役となるのはどちらか?
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 上図はIgM抗体とIgG抗体の違いを示している。一般に人は、全く未知の抗原(ウイルス等)に出くわした場合は最初にIgM抗体を産生する。一方で過去に経験した抗原の場合は、その記憶に応じたIgG抗体を産生する。抗原をがんじがらめにできる抗体を「中和抗体」と呼び、この中和はIgG抗体の為せる技となる。
 一般に一つの抗原に対し複数の抗体が作られる。IgG抗体の中には中和抗体ほど完全ではないが、抗原の動きをある程度抑制できる抗体もある。ウイルスは変異するので、以前は「一番効果が高い中和抗体」であったものが、変異ウイルスに対しては「ある程度効果の中和抗体」に格下げになることがある。逆に「ある程度効果の中和抗体」であったものが、ウイルス変異を受け、「一番効果が高い中和抗体」に格上げになることもある。そして、この「ある程度効果の中和抗体」も含めての複数のIgG抗体全体(IgG抗体群)が、交差免疫として働いている可能性が十分あると私は考えている。
3.交差免疫とは
 新型コロナウイルスを例に交差免疫とは何かを説明する。2003年中国南部広東省を起点にして流行ったSARSSARS: severe acute respiratory syndrome)は、コロナウイルスを病原とする重症急性呼吸器症候群感染症であった。また、日本人の罹る風邪の2割から3割はコロナウイルスによるものである。交差免疫とは、ウイルスに感染した時できた抗体(2.で言うIgG抗体群)が、そのウイルスの亜型ウイルスに対してもある程度の効果を発揮できるという考えであり、すなわち旧型コロナウイルスでできた抗体が新型コロナウイルスに対してもある程度の効果を発揮できるとする説である。
4.アゴラ記事の言いたいこと
 日本を含む東アジア地域の国々で、新型コロナウイルスの感染者数や死者数が極端に少ないのは、「交差免疫」によるものと思われ、この交差免疫がFactor-Xの正体である。
5.アゴラ説の信憑性
  従来、新しいコロナウイルスの発生地は中国南部とされ、ここの住民の生活様式が、コロナウイルスの自然宿主であるコウモリから、直接/間接的に新種のコロナウイルスを人間界に取り込んでいると言われている。「Factor-X = 交差免疫」説は、このコロナウイルスによる風邪が風土病のように流行っている東アジア地域で、新型コロナウイルスの感染者数が低く抑えられていることとぴったり符号する。私としては、Factor-Xの主因として一番可能性の高い説に思える。
6.日本の取るべき施策
 今基本的な作戦は、「ワクチン接種により集団免疫を構築し、これでもって感染を沈静化させる」とされている。ここにおいて、集団免疫の基本となるのは、ワクチン接種にて獲得される中和抗体であった。ところが、4/1のブログ「陰のワクチン」でも書いたが、ワクチン接種が進み感染者が大きく減ったイスラエルの感染レベルが、感染者が増えて「まん延防止措置」の適用を開始した日本の感染レベルより高いのである。私は、この理由は、日本人の多くが 陰のワクチン を接種済みであるからだと思っており、この 陰のワクチン による集団免疫は、日本人が過去に罹った旧型コロナウイルスによる風邪により獲得できたものと考えている。
 この考えで、今日本がどういう状態かを改めて認識し直せば、まず、日本人の3/4は既に交差免疫を持っている。これは、ちょっと質が劣る抗体を持っていると思えば良い。ファイザ製ワクチンの有効性が95%としたら、交差免疫(ある程度効果の中和抗体)は50%程度の有効性と思えば良いだろう。多分毎年打つインフルエンザ予防注射の有効性ぐらいはあると思われる。こういう認識に立って今やるべきことは、やはり「高齢者への早急なるワクチン接種」となる。認識を新たにしても作戦は変わらない。何故ならば、交差免疫を持たない人が1/4いるし、たとえ持っていたとしても高齢者の場合、そのような質が劣った抗体では、ウイルスに負けてしまう可能性があるからだ。
 ただ、この「日本人の3/4が交差免疫を持っている」という認識に立てば、高齢者にワクチンを打ち終わる6月末頃には、前に広がる景色が全然変わってくると思われる。ワクチン接種が進んでいる英国、米国、イスラエルでは、もう既に人々の気持ちが変わり始めた。日本においても6月末になれば、感染再拡大を心配する今のこの重苦しい空気も一掃されるであろう。