タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

なぜ民主化できない国が多いのか?

 スーダンからの邦人退避が無事完了したとのこと。スーダンという国名は、2011年の南スーダン独立の際話題になったが、ここ数日のニュースで、スーダンとして残った北側で未だに内戦が続いていることを知ることとなった。今回は軍部の対立の図式となっており、民主化には程遠い様子が垣間見える。どうもアフリカでは、植民地時代の負の遺産を引きずって、低開発国のまま民主化が進まないところが多々あるようだ。
 スーダンが英国から独立する際、英国で教育を受けたスーダン人エリートが、それまでの植民地経営の資産を受け継ぎ、英国人支配層に取って代わったため、軍による民衆統治の形態がそのまま残ったみたいである。エリート層の独裁政権が植民地時代の権益維持のみに力を注いだため、周辺地域(例えば南スーダン)の経済発展が進まず、民衆の不満に乗じて軍部がクーデターを起こしたが、独裁政権が軍政に代わっただけに終わった。そして最近になって、その軍部の中での争いが勃発した。
 ロシアの前身となったモスクワ公国も、キプチャク・ハン国から独立の際、モンゴル帝国の支配体制と統治制度を受け継ぎ、それがロマノフ朝へと引き継がれ、プーチンが尊敬するピョートル大帝エカテリーナ二世を輩出する大帝国となった。軍による民衆統治のやり方のみを学んだ統治者に民主化は期待できない。こんな国の民主化はなかなか進まないことになる。私は今まで、近代化すれば民主化は付いてくるような気がしていたが、どうも違うようである。