タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

キュウリの成長スピード(速さの秘密)


 写真は、今朝家庭菜園から収穫したキュウリである。ここ数日、毎日7,8本の収穫量で、いよいよ夫婦二人で食べ切るのが難しくなってきた。今日の時点で、妻は昨日収穫し食べ残った3本と今日収穫した8本の中の2本の合計5本を朝 塩もみし、これを昼食と夕食で食べ切るペースで消費している。冷蔵庫の野菜室は、キョウリ以外にも、ナスやゴーヤ、シシトウで溢れ、収納限界に近づいてきた。
 それにしても、キュウリの成長は驚異的である。人間に例えるなら、昨日の時点で身長130cm、小学校低学年の児童ぐらいに思っていたのに、今日見たら170cmの立派な大人になっているわけで、もし今日収穫しないと、明日は2mを超す規格外のジャンボになるといった感じである。キュウリは何故こんなに速く成長できるのであろうか?

 上図は動物細胞と植物細胞の違いを示している。キュウリの成長の速さの秘密は、植物細胞のみが有する「液胞」にある。キュウリは受粉の時点で、将来実として成長する組織の細胞分裂はほぼ完了しており、受粉が成功するとその細胞が肥大化を始める。そして、肥大化細胞の体積のほとんどを液胞が占めることになる。つまり、キュウリの成長(肥大化)は、液胞への水分の取り込みにより行われるので、この「水膨れ」という中身の薄い工程にて高速に行えることになる。
 上の説明で分かるように、キュウリの95%が水分であり、光合成で作った糖分の貯め込みも少ないことから、今まで「キュウリに栄養無し」と見なされてきた。ただ最近は、「低カロリー食材」として見直され、カリウムやビタミンK、ビタミンCの含有量も多いことから、夏場に水分とミネラルを同時に摂れる熱中症防止野菜として再評価されている。食物繊維も多いからお通じにも良い。これで、少しずつ長い期間収穫できる野菜だったら最高なのに。