タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

海外出張トラブル(その2)

 今日のブログは昨日の続きである。シカゴ空港隣接のホテルで一泊する事態に陥った私だが、翌日はトルネードもすっかり治まり、朝一番の飛行機は定刻通りにPeoria空港に着いた。ところが、バゲージクレームで待っていても、自分のトランクケースが出て来なかった。カウンタへ行って事情を話すと、奥の倉庫に案内され、この中に自分の荷物があるか? と言われた。自分で探せと言う意味だった。幸い、自分のトランクケースは直ぐに見つかった。荷物が倉庫にあった理由はピンときた。昨日シカゴ空港で、トランクケースは先に国内便乗り継ぎへ引き渡し、その後で私がセキュリティチェックの大渋滞に巻き込まれたので、荷物は昨日の便でPeoriaまで来ていたということだ。
 米国の会議は朝8時から始まる。昨日の内に「朝一番で行くから8時の会議開始には間に合わない」と伝えてあったが、この会議は私が行かないと始まらない会議であったので、ただひたすら、『何とか早く着かないと』と思っていた。時計はもう直ぐ8時を示していた。あーそれなのに、空港から直ぐにタクシーに乗って行こうと思っていたのに、空港前にはタクシーが1台も止まっていなかった。タクシーどころか、人っ子一人いなかった。どうすれば良いかと回りをきょろきょろ見渡したら、Taxi Callの看板を見つけ、その傍に電話機があったので、それを使いタクシーを呼んだ。
 幸い、タクシーは直ぐにきた。これでどうにか30分遅れで工場に着ける と思った。タクシーに乗り込み、運ちゃんに行先を告げた。普通これでタクシーは目的地へ走り出すのだが、この日は事情が違っていた。運ちゃんが、その行先を復唱しながら、その方角へ行くが****でも良いか? と聞いてきた。『この状況で私に更に何を確認したいのだろう?』、私には彼の言っていることが全く理解できなかった。私は、時間をロスしたくなかったので、意味も分からず「OK」と答えた。
 彼が言っていた意味がその後直ぐに分かった。タクシーが走り出し、しばらくして若い女性が乗り込んできた。これは乗合タクシーだったのだ。乗り込んで来た女性に尋ねたら、インド出身でカレッジに通うお嬢さんだと分かった。若い女性と話ができるという幸運は滅多に無いのに、この日の私には、そんな会話を楽しむ余裕など全くなく、ただひたすら、『どうかこの先何も起こらず無事に着いてくれ』と祈っていた。その後タクシーは工場に着き、言われるままの料金を払ったら、車はお嬢さんを乗せて走り去った。
 オフィースの玄関に入った時点で8:30だった。玄関口のボードに今日の会議名と会議室が書いてあったので、廊下を進んで行きその会議室のドアを開いた。ドアを開けた瞬間、会議開始を待っていた大勢の人の視線が一斉に私に向けられた。『さあ、ここからが本番だ!』、私の中で緊張が一気に高まった。