タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

肉食系の生き方


 上は、家庭菜園のナスの枝にいた2匹のカマキリである。10月になり、秋ナスの勢いにも翳りが見えてきたので、枝葉を更に刈り込んでいたところ、少なくなった枝葉に偶然カマキリが2匹 接近遭遇(Close Encounter)することになった。カマキリは肉食であり、メスは交尾に来たオスを食べてしまうこともあるという。写真のカマキリは、お腹が大きいので2匹ともメスだと思われる。しばらく観察していたが、2匹ともじっとしたままで共食いすることはなかった。
 クモも肉食であり、カマキリと同じように、交尾後のオスはメスに食べられる運命にある。家の中で、例えば天井裏や部屋の片隅に張られたクモの巣を見て思うことは、『こんなところに巣を張って、生きている間に一体何回の食事にありつけるのか?』である。この疑問を幼少の頃から抱いているが、未だに答えを見い出せていない。
 トンボも肉食であるが、カマキリやクモと違って人間には良い印象で受け入れられている。印象がこんなに違うのは、カマキリやクモの姿・形が余程気味悪いからであろうか? それとも、トンボの飛行する姿がかっこいいからだろうか? とにかく、トンボは、水中生活をしているヤゴの時代から一貫して肉食を通し、蚊や蝿のような小さいものたちにとっては怖い殺し屋なのである。(人間にとって益虫と見られるだけ)。
 モズは漢字で百舌鳥と書き、色んな鳴き方ができる鳥である。モズは、猛禽類以外の鳥では珍しく肉食であり、はやにえ と言って、以下の写真のように、捕まえた小動物を尖った枝に突き刺し冬期間の食料とする。

 最近、この辺りでもモズの高鳴きが聞かれるようになった。高鳴きとは、モズが縄張りを主張する時、高音のアップテンポで激しく威嚇するように鳴く鳴き方である。秋にこの高鳴きをして良い縄張りを確保できたオスは、豊富なはやにえを備えて冬を越すことができ、早春には十分な体力を残してメスに自慢の喉でさえずることができる。当然ながら、上手にさえずることができるオスがペアリングに成功する確率は高くなる。
 ツバメも肉食である。スズメやムクドリは雑食であり群れて行動することが多いが、一方でモズやツバメは単独で狩りをする。一般に鳥類がエサとする小動物は、群れて共同で狩りをする必要もないほど小さい。であるから、肉食の鳥は群れずに単独行動することが多くなるのではなかろうか?。一方で雑食の鳥たちは、天敵から身を守る意味で、群れで行動する方が有利なのであろう。
 肉食系は、一般的には攻撃的なものが多い。我々人間に対するウケは必ずしも良くないが、彼らは彼らで、生存競争の世界を命がけで生き抜いているのである。