タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

難儀な翻訳 びっくりな翻訳

 先週、アルバイトで翻訳の仕事が入り、土日返上で作業した。私は英語が専門ではないが、翻訳対象が「日本メーカが海外現地法人向けに作ったシステムの用語集」となると、英文科を出て英語がいくらぺらぺらな人にとってもお手上げの仕事となり、私のようなメーカーの業務知識が豊富な人のところへ仕事が舞い込むことになる。
 例えばで言うと、用語集の中に「数」という単語があった。辞書にはない言葉で、Google翻訳を使うと article number と翻訳された。しかしながらこの翻訳結果は、憲法第9戦争放棄 というところの番号を意味し、日本の鉄鋼メーカーが使う言葉とは思えなかった。それで、ネット上で鉄鋼メーカー関連の記事を「」というキーワードで検索したら、「切り」という単語を含んだ記事が見つかった。そして切りとは、ロール状の鋼板をロールケーキを切るように輪切りで分割することだと分かった。そしてここまで分かり、数とは、大きなロール鋼板を切りして(何本かのを入れて)何個か分の小ロールへ分割することを意味する言葉だと想像できた。
 用語集はExcelで、日本語列、中国語列、英語列となっており、中国語列はほぼ翻訳が済んでいた。中国語列で面白い翻訳例があった。生産管理システムでは部品表と言って、製品とその構成部品の親子関係を表す「家系図」のようなものを管理し運用している。用語集の中で「品目()」という単語があり、Google翻訳でも 「item (parent)」 と世界標準の言葉で翻訳された。ところがこの中国語訳は、何と 「品目()」となっていた。いやはやびっくりである。部品表という欧米で生まれたシステムの概念を中国語へ最初に翻訳した人が、家系図を思い浮かべてと子の関係としたのであろうか?