タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

最後のGoToトラベル? 縄文土器にびっくり

 昨日から一泊で妻と小川温泉に行って来た。小川温泉は富山県の一番東寄り(新潟県寄り)に位置する秘湯で、黒部川の支流である2級河川「小川」の上流にある。自宅から車で1時間半、山あいを流れる小川に沿った道をどんどん奥まで進むと、長いトンネルがあり、それを抜けたところが小川温泉元湯であった。とにかく秘湯であり、そこにはこの元湯一軒しかなく、他には何もなかった。
 小川温泉は開湯400年とのこと、江戸時代から存在する古い温泉である。この元湯の創業が明治時代で、露天岩風呂へと続く長い廊下には、高松宮殿下がいらっしゃった時のアルバム写真が置いてあった。昭和42年2月となっていたので、殿下は、こんな山奥の温泉まで、それも雪が降り積もる中いらっしゃったことになる。
 今朝はその露天風呂に浸かりながら、雨除けの波板をたたく雨音と、砂防ダムから流れ落ちる水音を聞いていた。ちょうど発達した低気圧から延びる寒冷前線が通過中であったため、上からは激しい雨音が、下からは砂防ダムを3段の滝となって流れ落ちる小川の濁流の轟音が聞こえた。

 今日は雨ではあるが、せっかく遠くまで来たのだからということで、あまり期待はしていなかったが、朝日町の「まいぶんKAN」という埋蔵文化財センターへ行った。ところがこれが大正解であった。
 館内に入ったら、いきなりこの縄文土器の展示である。

 下のような平皿タイプの縄文土器も初めて見た。

 色々な種類の縄文土器が並べて展示してあり、土器以外にも、ヒスイから作った勾玉(まがたま)も展示されていた(下の写真の右上奥は勾玉展示ケース)。


 この地(富山県朝日町)は、北陸最大級の縄文集落跡とされる長者ケ原遺跡新潟県糸魚川市)と隣接している。糸魚川ー静岡構造線の東と西に位置するこの辺りには、ヒスイが産出し、縄文人により勾玉(まがたま)が大量に生産されていたのだろう。黒曜石の刃物の出土品も展示されていたが、この辺りで黒曜石は産出されないから、ヒスイ勾玉と物々交換されていたのだろう。今から5000年ほど前の縄文時代中期では、ひょっとしてこの辺りが日本の中心だったのかも知れない。とにかく、入館料100円でこれだけ見ることができ大満足であった。