タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

働く車を見て考えたこと

 日課のウォーキングコースの途中にユニクロがある。最近、そのユニクロの駐車場が改修工事をしており、働く車の展示場のようになっている。f:id:TatsuyaYokohori:20210908205205p:plain
グレーダにパワーショベル、アスファルト・フィニッシャにミニショベル、ロードローラと、働く車好きの子供が見たら大はしゃぎしそうな現場になっている。もちろん私も、この光景に思わず足を止めスマホ撮影をしたわけだが、私にはわくわく感とは別の思いが湧いていた。
 グレーダやアスファルト・フィニッシャ、ロードローラは道路工事に必須の建設機械である。日本列島の隅々まで高速道路を張り巡らす工事を大々的にやっていた頃は、これらの建設機械は昼夜の別なく忙しく働いていたことであろう。道路工事用として設計されたこれらの機械は、当時現場の花形であったに違いない。あれから何十年も過ぎて、これらの機械を今日見た時、こんな小規模な現場でつつましく肩を寄せ合って働いているように思えた。
 建設機械メーカは、国内市場規模が縮小する中で生き残りの戦いを続けている。海外に活路を見い出せた会社は右肩上がりの成長を維持できているかも知れないが、いずれ海外も頭打ちになる日が来るであろう。昨日のブログで話題にした農業機械も、国内市場は遠の昔に頭打ちになっているので、海外展開に活路を求めるしかないだろう。ただ、田植え機は、苗代栽培から田植えという農法が基本となるので、農法が異なる東南アジアで売れそうもなく、また稲作をやっていない地域にはもちろん売れない。ひょとして農業機械メーカは建設機械メーカ以上に厳しいのかも知れない。
 そんなこんな考えていると、「右肩上がりでない生き方」が今後世の中の標準スタイルになるのではないかと思えてきた。会社は右肩上がりに成長しなくても良いのである。売り上げが増えなくてもコンスタントに収益があり、そんな会社の中で従業員が個人のスキルアップに応じた給与アップを得られれば良いのである。こんな考えに至るのは、日本の経済が長らく停滞しているからであろう。このコロナ禍の後、日本経済はK型で成長すると言われている。K型とは、右肩上がり と 右肩下がり の2分化が起きることを意味する。成長する企業もあれば、業績が低迷し潰れるところも出て来る。資本主義の宿命であろうか。