タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

坊やの睡眠について

 今日は昨日に引き続き坊やを題材にして、睡眠について考えてみる。坊やにはまだ体内時計が形成されてない。体内時計は日の光を浴びることで形成され保持されるようになるので、生まれてまだ一ヶ月に満たない新生児には備わってない。ただ、娘によれば、最近は夜1回で5時間ほど寝てくれているようなので、昼と夜の区別がこれからだんだん付いてくるのだろう。
 睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返すが、坊やを見ていると、レム睡眠(Rapid Eyes Movement)中は、眼球ばかりでなく両手両足を盛んに動かす。どんな夢を見ているのだろうか? と考えてみたが、9/24のブログで書いたが、坊やの目に映った映像は脳には届いているが、その映像が何かを判断するところの神経回路配線工事をやっている最中なので、夢のようなものは見ているかも知れないが、それは断片映像のストロボ写真に近いものであり、しかもその写真に何が映っているか理解できない状況だと思われる。
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 レム睡眠は記憶の定着に重要と考えられている。上図はレム睡眠の2つの働きを表している。まず一つ目が海馬の制御である。レム睡眠中にはθ波という6~10 Hz程度の脳波が,海馬と呼ばれる脳部位で観測される。海馬は記憶形成において重要な役割を担う部位であり、また、成人しても神経新生が依然として活発に行われている場所としても知られるようになった。そしてレム睡眠は海馬の活動を制御することで,直接的に記憶形成に関与することが明らかとなった。
 2つ目が徐波の生成促進である。徐波とは周波数4 Hz以下のゆっくりした脳波であり,大脳皮質のニューロンの膜電位が同調してゆっくり振動することによって生じる。徐波は深いノンレム睡眠時に生じやすく,神経配線の定着(シナプスの可塑)に貢献し学習や記憶形成を促すと考えられている。レム睡眠が阻害されるとこの徐波生成が徐々に減衰するので、レム睡眠は記憶形成と定着に間接的に働いていると言える。
 さて、ここから先は私の勝手な想像であり、エビデンスも何もない空想の話となる。まず仮定として、海馬には短期エピソード記憶が保存されるとする。そしてこの短期記憶がレム睡眠中に大脳皮質に転送され、長期記憶として記憶の定着化が進むとする。このように仮定した場合、レム睡眠中は、睡眠に入る前に海馬に記憶された、まだふわふわとして固定化していない記憶が呼び出され、大脳皮質にあるニューロンシナプスに対し、記憶の新規登録や上書きが為されることになる。この海馬から大脳皮質への記憶転送の際、大脳皮質のあちらこちらが刺激されるため、これが非現実的な夢として現れる。
 坊やのような新生児の場合、まだ大脳に登録されている記憶は少ないため、海馬から転送される記憶は、ほとんどが新規情報として登録される場合が多い。この新規登録がどのようになるかを想像すると、それは今まで発火したことがないニューロンが初めて発火することを意味する。真っさらなニューロンは、おぎゃーと生まれた時、既に成人が持つニューロンの数分生成されているが、それを発火させるに必要なシナプス結合ができてない。このため新規登録時は、シナプスを伸ばしたり、シナプス先端で神経伝達物質を放出して相手方のニューロンへ連絡する部分の導通性アップが必要になる。このようにして、記憶の新規登録が多い新生児の場合は、レム睡眠の割合が成人よりも多くなる。また、新生児の場合は、母親との接触やおっぱいの感触等の触覚情報が大きな意味合いを持つため、レム睡眠中に運動神経も刺激されることになり、両手両足をばたばたさせながら夢を見ることになる。
 ということで、今日は想像を(妄想を)膨らませてしまった。