タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

坊やのおならとウンチの話

 もう直ぐ生後一ヶ月となる坊やを抱っこしていると、最近よくプップとおならをする。しかもその匂いがだんだん臭くなってきた。こういう身近なところでも、例えば「屁はなぜ臭いのか?」と問われたら、直ぐには答えられない。今日はその辺りを調べてみた。
 「屁はなぜ臭いのか?」と「ウンチはなぜ臭いのか?」の答えは同じになる。食べ物は人間の胃や小腸で消化され吸収されるが、その食べかすが大腸に運ばれ、そこで腸内細菌により発酵する。この時にできるメルカプタンと硫化水素が臭い匂いの元となる。
 上記はスマートな答えではあるが、臭い成分を分析的に答えているだけで、「なぜその成分を臭い(いやな匂い)と感じるのか?」に答えてない。「犬はオシッコを臭いと感じるか?」と質問したら、多分答えは「ノー」であろう。自分のオシッコと他者のオシッコの嗅ぎ分けをルーティーンワークにしている犬が、オシッコを臭いと思っているはずがないのである。
 人間は糞尿を「臭い(いやな匂い)」と感じるように進化したと言える。地を這う爬虫類や鼻が地面に近い位置で活動する哺乳類にとって、地面から届く匂いの情報は視覚情報や聴覚情報に勝るとも劣らぬ重要な情報である。一方で、人間にとっての嗅覚情報は、視覚情報や聴覚情報よりも重要度はかなり落ちる。ただそんな中で大きな意味有り情報となるのは、食べてはいけないことを意味する腐敗臭であり、病気の感染を意味する糞尿の匂いとなる。つまり人間は、これらの匂いを「いやな匂い」として忌避する方向へ進化したと思われる。
 今日二つ目の疑問は、「ウンチの色はなぜ茶色か?」である。坊やのウンチはほぼ黄色である。うんちを黄色っぽくする色のもとは、肝臓から出る胆汁色素のビリルビンである。寿命を終えた赤血球の中のヘモグロビンは肝臓にてビリルビンに変えられ、胆汁と一緒に十二指腸に噴出して消化液として働く。赤ん坊のウンチが黄色なのは、このビリルビンが黄色だからである。人は成長するに伴い食べ物も多様化し腸内細菌の種類も増えてくる。ビリルビンの色も腸内細菌の作用により黄色から茶色に変化する。従って、ウンチが黄色なのは胆汁の色が黄色だからであり、ウンチが茶色なのは、その胆汁に腸内細菌が作用して茶色に変化するからである。
 坊やの屁が臭いのは、坊やの大腸内で腸内細菌が活動を始めたからである。坊やのウンチが黄色なのは、坊やの肝臓が古くなった赤血球を処理してビリルビンに変え坊やの十二指腸に排泄しているからであり、ウンチが茶色でないのは、まだ母乳しか飲んでいないから、腸内細菌は乳酸菌やビフィズス菌が主流でビリルビンが黄色から茶色へ変色しないからである。

P.S.
 母子手帳にはウンチ判定用の色見本があって、薄い白色から黄色を経て黄土色まで、7色の見本色が示してある。1番から3番までの色の場合、「胆道閉鎖症」の疑いがあるから直ぐに小児科医に相談するよう書いてある。坊やは6番目の色で問題無しである。