今日12月８日は高速増殖炉「もんじゅ」がナトリウム漏洩事故を起こした日である。
高速増殖炉とは、自然界に0.7％しか存在しない燃えるウラン235を燃やしながら、99.3％存在する燃えないウラン238を燃える核燃料プルトニウム239に変換する原子炉であり、燃やせば燃やすほど燃料が逆に増えていく夢のような原子炉である。
私が大学４年生であった時、東芝＆IHI連合との産学連携でこの高速増殖炉もんじゅの燃料被覆管弾塑性クリープ解析を行った。大学側は計算担当で、私は後にMARCを創業したMarcal博士の理論に基づき、弾塑性FEM解析のプログラムを作り計算結果を東芝＆IHI連合に提供した。
会社務めをして20年弱経過した1995年の今日、「もんじゅ」はナトリウム漏れ事故を起こした。私はそのニュースを聞いて『もしあのまま原子力の道に進んでいたら、随分違った人生になっていたであろう』と思った。このプロジェクトに長年心血を注いだメーカのエンジニアは、この事故をどういう気持ちで受け止めたのであろうか？
最近、似たようなニュースがあった。MRJ（Mitsubishi Regional Jet)が事実上凍結の方向で調整に入ったというニュースが流れたのである。エンジニアの無念さはいかばかりであろうか？
