昨日、北京市の天安門広場で抗日戦争勝利80年を記念する軍事パレードが行われ、中国 習近平主席、ロシア プーチン大統領、北朝鮮 金正恩労働党総書記が並び立ち観覧した。中露朝の結束を誇示する形となったが、一方で欧州と米国の間にはトランプ大統領登場以来不協和音が聞こえて来る。今日は、世界の情勢に影響を及ぼす首脳の立ち位置を考えた。
上図は、2つの対立軸に基づき、各国首脳の考え方を私なりにまとめたものである。私は、トランプ大統領が、それまで民主党が進めていたグローバリズム路線を反グローバリズム路線へ大きく方針転換したと考えている。欧州においても、移民問題に窮して反グローバリズムの右派政党が党勢を拡大しているが、政権奪取にまで至ったのはイタリアのみである。つまり、反グローバリストのトランプ大統領が欧州を見る目は、自分と主義主張が異なるグローバリストを見る目になっているということである。両者間に亀裂が生じるのは当然である。
さて、日本の首相がどの立ち位置にあるかだが、この人は信念を持たず国家観もない人だから、立ち位置なんてないと言って良い。ただ敢えて言うなら、岸田元首相の政策を踏襲しているということで、下方にある欧州首脳陣と同じ立ち位置にいるのであろう。トランプ大統領と相性が良いはずがない。
今回2つの基軸で整理して気付いたことがある。一つは、「修正資本主義」(ケインズ主義)と「新自由主義」がどのように異なるかである。資本主義の欠陥を補うものとして登場した2つの主義が、反グローバリズム的かグローバリズム的かで整理できることが分かった。もう一つ、日本で問題になっている「積極財政」か「PB(プライマリーバランス)均衡」かの議論であるが、これも「修正資本主義」か「新自由主義」かの延長の議論であり、その根底には、「反グローバリズム」か「グローバリズム」かの根源的な問題が存在することが分かった。
我が国においては、「新自由主義」の権化のような竹中平蔵氏が、2001年の第一次小泉内閣で経済財政政策担当大臣に就任し、これを機に財務省が「PB均衡(あるいはPB黒字化)」を目標として予算削減の道を歩み始めた。そしてこの目標が、失われた10年で終わっていたかもしれないデフレ経済を「失われた30年」にまで引き延ばしてしまった。ケインズ主義を否定する竹中平蔵氏は、死ぬまで自分の間違いに気付くことはないであろう。当然のことながらこの著名な経済学者は、自分の間違いが引き起こした日本経済に対するダメージの大きさにも気付いていない。