タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

核融合反応のエネルギーはどこから生まれるのか?

 昨日、核融合実験成功のニュースが飛び込んで来た。米国 ローレンス・リバモア国立研究所のチームが、レーザーを使った核融合実験で、燃料に投入した以上のエネルギーを生み出し、「純増」させることに世界で初めて成功したとのこと。今日は核融合エネルギーの源について調べた。

 上図は核融合反応の模式図で、重水素三重水素原子核が融合しヘリウム原子核中性子に変化することを示している。ただ、この図を見てもエネルギーの源が何であるかは分からない。多くの解説書には、「左辺の質量の合計値は右辺の質量の合計値より大きい。この質量の減った分がエネルギーに転化する」と書いてある。そしてそこには、アインシュタイン相対性理論から導かれる E=mC2の式が添えられている。これまでは この説明で納得していたが、もうちょっと構造的に説明できないものかと思い、更に調べてみた。

 上図は核融合で主役になる「陽子」と「中性子」、および 湯川博士が 核内の陽子と中性子を結合させるものとして予言した「中間子」がどんな素粒子クォーク)で構成されているかを示している。また、以下の図は、素粒子標準模型を示すが、上図に示すクォークの他にもグルーオンという素粒子があり、上図で示す「強い力」はこのグルーオンにより生じている。

 さてここで、巻頭で書いた核融合反応模式図を全部素粒子で表したらどうなるかと思い色々調べたが、そんな風に解説した記事を見つけられなかった。と言うことで、ここからが私の荒っぽい想像の話になるが、今日の結論としては、「核融合反応のエネルギーは、重水素三重水素の核内で陽子と中性子を結合させている中間子が、核融合反応後にヘリウム核内の陽子2つと中性子2つを結合させている中間子に変わり、エネルギーレベルが低下するので、核融合反応では、その差分のエネルギーが発生する」となる。
 今日の結論は、いささか不十分な結果に終わった。ざっくり言えば、エネルギーが高い状態から低い状態へ変化する時、差分のエネルギーが発生する と言うことになる。以下の図は、三重水素トリチウム)がβ崩壊して電子線を出しエネルギーを発生することを示している。三重水素は別名トリチウムであり、福島原発汚染水海洋放出で問題になっているあの「トリチウム」である。これ単独でもエネルギーレベルが高くβ崩壊する物質である。物質は、エネルギーの高い状態から低い状態へ移行する時、エネルギーを放出するのである。
   

P.S.
 今日は、中間子が一般に、クォーククォークから構成されているということが分かった。物質と反物質対消滅して、今は物質しか残っていないと思っていたが、素粒子の中でクォークとして残っているということが分かり驚いた。