タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

相対性理論と弾性体解析のアナロジー

 最近、性懲りもなく、アインシュタイン相対性理論の理解に再挑戦した。大学生だった頃に打ちのめされてから40有余年、高尚な理論は今回も鈍くなった私の頭脳に受け入れられず、敗北宣言寸前のところまでいった。

 上に、アインシュタイン重力場の方程式を示すが、テンソルという得体の知れない言葉が出てきて、今回もまず数学的理解で立ち往生。そこで今日は数式を無視して、方程式の物理的な意味を考えようとしたが、「時空のゆがみ」という言葉に、私の想像力が付いて行けなかった。
 上図は相対性理論を適用して説明される「重力レンズ」の解説図であるが、大質量物体の回りの時空のゆがみを、2次元表面の窪みのように表現されても、何か腑に落ちなかった。
 そんな風に考えあぐねていた時、突然「ひらめき」があった。『時空間のゆがみを弾性体のひずみと考えれば良いのじゃないか!』と。
 私は、大学の卒論で弾性体を有限要素法を使って解析した経験があるので、弾性体力学に関しては専門家だとの自負がある。以下の図で示すように、解析対象を小さな要素に分割してコンピュータ解析し、強度的に問題無いか解析した。コンピュータ解析では、対象となる弾性体の歪み量を計算し、その歪み量に対抗する応力を算出して強度の評価を行った。(以下の図では、歪みが大きくそれに対する応力が高い領域は赤色で塗られており、歪みが小さく応力が低い領域は青色に塗られている)。

 「時空のゆがみ」も「弾性体のひずみ」と同じようなものと考えれば良いのではないか! そう思うと、一挙に時空のゆがみがイメージできるようになった。そう言えば、応力もテンソルであり、座標変換して「最大主応力」、「最小主応力」を求め、それを以下のようなベクトル図にして見ていたのである。時空間も弾性体と同じようにひずむもの、両者ともテンソルで表現できるものと考えれば良いのである。

 以下は相対性理論と弾性体解析のアナロジーである。今日は、相対性理論の理解に向けて、一つのハードルを越えたような気がした。