タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

木星の衛星エウロパ

 先日、「木星の衛星エウロパの氷床は「上向きに降る雪」でできている」という記事が目に止まった。エウロパとは、ガリレオが発見した木星の4つの衛星の一つで、表面は氷に覆われているが、その下には液体の水があると考えられている。

 上図は、NASAが打ち上げた木星探査機ガリレオの撮影画像であるが、表面にはひび割れや筋状の構造が見られ、クレーターは比較的少ない。クレータが少ない理由は、隕石衝突でクレータができても、氷床の下の液体の水が吹き出して氷結し跡を消し去るためと考えられている。
 NASAエウロパの調査に用いる探査船「エウロパ・クリッパー」は、2022年6月に本体が完成し、2024年に打ち上げられる予定である。液体の水の存在は生命の可能性を意味し、自分が生きている間に地球外生命が発見される可能性がかすかに残っていることを意味する。早く、新しい発見のニュースを沢山聞かせてもらいたいものだ。
 さて、氷床が上向きに成長する理由に関しては、「結氷温度まで下がった海面の、表層で形成される細かい針状・板状の氷の密度は、周囲の海水より小さいため、形成された晶氷は海中を上方へと浮遊して氷床の底に定着する」である。また、火星より外周を回る太陽光の乏しい木星の衛星で液体の水が存在する理由は、「潮汐力によるたわみに起因する加熱」とのこと。すなわち、木星という地球よりはるかに大きい惑星からの巨大な引力により、エウロパ表面の氷床と中央の岩石部分に繰り返したわみが生じ、これによる加熱で温められ、水が液体の状態でいられることになる。
 宇宙のことを考えていると、地上での理不尽な争いごとを忘れさせてくれる。ストレスも減りボケ防止にもなるかもしれない。