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田舎の年金暮らしのたわごと

SF発展形その3 生命の起源

 今日はSF発展形その3として、今回の惑星探査の目的となった「生命の起源の謎」について説明する。

 20世紀後半に遺伝子解析が急速に進歩したことを受けて、地球上の生物界が大きく3つのグループに分類されることが解明された。上図は地球生命の系統樹を示すが、その根幹には生命の起源となった生物の存在が考えられる。この3つの生物グループは、共通する基本原理に基づき生命活動しており、この基本原理は「セントラルドグマ」と呼ばれる。地球上の生物は全て、セントラルドグマ(DNAに格納された遺伝情報をRNAに転写し、その情報をタンパク質へ翻訳する)に則り生命活動を営んでいる。


 上図は、セントラルドグマ(遺伝情報からタンパク質が産み出される仕組み)を、多少細かく説明したものである。ここで生命の起源を考えた場合、ニワトリが先か卵が先かの問題が持ち上がる。タンパク質を作るには遺伝情報であるDNA、あるいはRNAが必要となるが、そのDNAを複製する時にも、DNAからRNAを転写する時にも、酵素として働くタンパク質が必要になる。生命誕生の際は、先にタンパク質ができたのであろうか、それともRNAの方が先にできたのであろうか?(現段階でDNAは後からできたと考えられている)。
 地球上に生命が誕生したのは、およそ38億年前と考えられている。その頃の地球上には、タンパク質の構成物質であるアミノ酸もあれば、DNAやRNAの構成物質である糖や核酸塩基も存在していたと考えられるが、問題は、それらをどう組み立てるかの情報が無い中で、最初の生命が、その複雑に組み上がった姿でどう誕生したかである。この難問は、21世紀初頭においても未だ解明されていない。