タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

インゲンマメのツルは何故右巻きになるのか?


 写真は、家庭菜園のインゲンマメのつるであり、左下から右上へ右巻きで成長している。ふと、『つるは何故右巻きになるのだろうか?』と不思議に思った。花は、日中は花弁の外側より内側の細胞の成長が速いから開く。夜はそれが反対になるから閉じる。これと同じように、植物は、左側より右側の細胞の成長が速いと、左側を中心として螺旋を描くように成長する。これが正にインゲンマメのつるの姿になる。問題は「なぜ必ず右巻きになるか?」である。
 インゲンのつるの巻き方は台風の上昇気流の流れに似ている。台風はコリオリの力が働き、中心付近の上昇気流は右巻きに昇っていく。『植物のつるはコリオリの力により右巻きになる?』、そんなことはないはずだ。コリオリの力は見かけの力であり、気象のような大きなスケールの現象には影響するが、植物の成長のようなミクロな世界に影響するはずがない。もしコリオリの力が影響するなら、南半球のインゲンは反対の左巻きになってしまう。
 色々考えていて、ふと、DNAも右巻きの二重螺旋であることに気が付いた。

 上図はDNAの二重螺旋の模式図であり、右巻きの構造であることが分かる。DNAが右巻きであることの理由として、DNAの構成素材であるヌクレオチドが左手系だったからとの学説がある。地球上に生命が生まれようとしていた時、たまたま左手系のヌクレオチドが多かったため、それを素材として出来上がったDNAが右巻き構造になったという説である。

 光学異性体については高校で習った記憶がある。地球上にあるアミノ酸はほとんどがL型(左手系)らしい。DNAが右巻きであることとインゲンのつるが右巻きであることに、関係があるのかどうかは皆目見当も付かない。
 今日は、インゲンマメのつるの形から生命誕生時のDNA素材の構造まで考えが飛んだ。何が真相かは分からないが、色々考えることは楽しいことである。