タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

シダ類のライフサイクル

 昨日はツクシとスギナの関係を調べた。スギナはシダ類であるが、ツクシという胞子を飛ばすための特別な茎(胞子茎)を成長させ繁殖する。シダ類と言えば、もう直ぐわらび採りに行く季節となってきた。今日はシダ類一般のライフサイクルについて調べた。
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 上図はシダ植物のライフサイクルを示す。ライフサイクルの半分が無性世代(ゲノムが通常の2n)、残り半分が有性世代(ゲノムが半分のn)である。このシダ植物の一生をヒトに喩えて説明すると、以下のような奇妙な物語になる。

 シダ人間が生まれた時、男女の区別はない。成長すると生殖器が発達し、その中で胞子を作り始めて撒き散らすようになる。胞子は減数分裂してゲノムは2nからnになっているが、男女の区別(精子卵子かの区別)はない。シダ人間の胞子が地面に落ちると根を生やし、シダ人間前葉体へと成長する。そしてこの前葉体の中央部に造卵器、周辺に造精器を形成する。造精器で作られた精子は、前葉体の表面が雨で濡れた状態になると、前葉体中央に向かって泳ぎ出し、造卵器で作られた卵子と結合して受精卵となる。そしてゲノムが2nとなったこの受精卵が成長して根が生え、新たなシダ人間となる。

 上の説明で分かるように、シダ植物は種子植物で言うところの「自家受粉」しかしない植物である。当然ゲノムの多様性が生まれず、山菜採りに行ったなら、『ここら一面に生えているワラビは皆兄弟(クローンもどき)』となる。