タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

宇宙誕生初期に輝き始めた星

 米ジョンズ・ホプキン大と千葉大などの国際チームは、129億光年離れた星を発見したと科学誌Natureに発表した。重力レンズの集光効果により、これまで最遠だった90億光年を大幅に超える星の発見となる。
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 これは私にとって驚きの成果である。129億光年かなたの星の光は129億年前に発せられたことになるが、宇宙が誕生したのが138億年前だから、誕生後たった9億年の時点でこの星は核融合反応にて明るく輝いていたことになる。この星の推定質量が太陽の50~500倍、明るさは100万倍というから、正に巨星であると言うか、あったが、多分今は、超新星爆発を起こした後のブラックホールが残っているだけになっているだろう。
 129億年前はまだ宇宙が誕生して間もない頃で、宇宙は今より随分小さかったし、この星はもっと近くで輝いていたことであろう。宇宙膨張は現在も続いており、しかもその膨張が加速していることが分かり、この発見に対し2011年ノーベル物理学賞が与えられた。宇宙は均等に膨張しているので、遠方の星ほど高速で遠ざかることになる。この遠方までの距離と後退速度は比例の関係であり、比例定数はハッブル定数と呼ばれている。現在129億光年かなたの星にハッブル定数を掛けて計算したら、後退速度は秒速28万9700kmと出た。何と光速の96.6%で遠ざかっていることになる。

 宇宙のことを考えていると、気持ちがゆったりとして来る。翻ってウクライナのニュースを聞くと人類の愚かさに陰鬱な気分になる。即時停戦を切に祈る今日この頃である。