タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

血液型遺伝子はどのように働くか?

 昨日のブログでは類人猿の血液型を扱い、以下の血液型の基本図も示した。
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ただ、上図を見ながら私には、『遺伝子型がAOの場合、この図のA型とみなして良いのか?』という疑問が生じた。そしてこの疑問は、「遺伝子はどのように働くか?」という疑問に繋がると気付いた。
 まず、抗体(血清)であるが、「抗体とは自己と非自己を見極め、自己を害することは絶対ない」という原則から考えれば、抗B抗体のみを持つA型タイプになるはずである。何故ならば、もしO型タイプの 抗A・抗B抗体を持っていたら、自分の抗A抗体が自分のA赤血球に結合して血液凝固を起こしてしまうからである。
 一方で赤血球の方は以下の3タイプが考えられた。
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タイプ1
 形としてはA型タイプ。すなわち、遺伝子型がAAでもAOでも、赤血球の表面に付くA抗原の量は同じ。この背景にある遺伝子の働き方は、遺伝子Oが産み出す酵素は、糖鎖に抗原を付けるように働かないし、遺伝子Aが産み出す酵素の働きを邪魔しない。
タイプ2
 形としてはA型とO型の中間。すなわち、赤血球の表面に付くA抗原の量は、遺伝子型AAの赤血球に対しほぼ半分になる。この背景にある遺伝子の働き方は、遺伝子Oが産み出す酵素は、糖鎖に抗原を付けるようには働かないが、遺伝子Aが産み出す酵素の働きを邪魔するように働くので、結果的に付加される抗原量は半分になってしまう。
タイプ3
 形としてはA型赤血球とO型赤血球が半々で混在。この背景にある考え方は、赤血球を産み出す造血幹細胞が作られる時、A型O型どちらの遺伝子が使われるかが確率的に決まるので、結果、A型とO型の造血幹細胞が等量産生される。A型造血幹細胞から分化する赤血球はA型赤血球になるし、O型造血幹細胞から分化する赤血球はO型赤血球になる。

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 ネット上色々調べたが、結局どのタイプになるのか分からなかった。ただ、この「遺伝子の働き方」は、メンデルの優性の法則の背景になるものであり、薬がどう働くかと同じ意味を持つので、継続課題として知識を深めたいと思った。

P.S.
血液型基本図のAB型を見ると、一つの赤血球にA型遺伝子もB型遺伝子も作用する形になっているので、AO型も同様になるはずであり、タイプ3は有り得ないと考えられる。よって、タイプ1かタイプ2かあるいはその中間で、すなわち、遺伝子型AA赤血球のA抗原量を100として、遺伝子型AO赤血球のA抗原量は、50%~100%の間だと考えられる。