タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

太陽系は銀河の衝突で生まれた?

 昨日は太陽系のここ最近(過去1400万年間)の動きを書いた。気持ちが大きくなり味を占めたので、今日は引き続き「太陽系がどのように生まれたか」について調べてみた。太陽系がどのように形成されたかについては、ネットを調べると多数掲載されている。f:id:TatsuyaYokohori:20220121142145p:plain
原始太陽を中心に星間物質が集まって星雲となり、微惑星が誕生して衝突を繰り返して成長し、原始惑星が誕生する。
 私の興味は、この太陽系形成の前工程にある。昨日のブログで「星は超新星爆発で生じた局所泡(Local Bubble)の表面で多数生成する」と書いたが、これは「太陽系が生まれる前に太陽系近傍で超新星爆発があった」ことを暗示している。
 超新星爆発が無いと地球のような惑星を伴う恒星系が生まれないことを以下に説明する。地球には軽い水素から重いウランまで92の元素が存在する。一方で太陽の構成元素は水素がほとんどで、他に水素の核融合で生じたヘリウムが存在する。今後、太陽の中で核融合が進むと、水素が少なくなりヘリウムが多数になってくる。そうなると今度はヘリウムが核融合を起こし炭素や窒素や酸素が産み出される。このようにして核融合はどんどん重い元素を産み出す方向に進むが、鉄まで行ったところで核融合は止まる。鉄の原子番号は26であるが、鉄より重い元素は超新星爆発時の異常に高いエネルギーレベルの環境で生成される。宇宙誕生以来、超新星爆発はそれこそ星の数ほど生じたので、宇宙空間には、この時生まれた鉄より重い元素も存在する。これが、太陽系が生まれる前に近くで超新星爆発があった理由となる。
 太陽系が生まれようとする近傍で超新星爆発があったことは確実であるが、それ以外のきっかけは無かったのだろうか?f:id:TatsuyaYokohori:20210414134639p:plain

 上図は昨年4/14のブログで示した天の川銀河家系図である。これを見ると天の川銀河が一番最近Sagittarius矮小銀河と衝突し合体したことが分かる。それで、その辺りを調べて行くと大変興味深い真相が見えてきた。なんと、57億年前 Sagittarius矮小銀河が我々が住む天の川銀河に接近し通過したというのである(下図)。
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このSagittarius矮小銀河はその後も天の川銀河にまとわりつくように運動し、19億年前と10億年前にも天の川銀河を通過している(下図)。
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下図は56億年前(上)および太陽系が生まれた46億年前(下)の2つの銀河の関係を示している。右方のグラフは生まれた星の数を示しており、矮小銀河が通過した57億年前辺りがピークとなっている。
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銀河系の半径は5万光年、銀河中心から太陽系までの距離が26100光年であるから、Sagittarius小銀河は太陽系位置より外側を、太陽系が生まれる10億年ほど前に通り過ぎたことになる。Sagittarius矮小銀河通過は、太陽系生成に直接の影響を与えなかったかもしれない。しかし、この通過によりその後の天の川銀河成長が影響を受けたことは間違いないので、通過から10億年ほど経って生まれた太陽系は、もしこの通過が無かったら違った姿と歴史になっていた可能性は十分考えられる。

今日も宇宙のことを考えて良い気分になった。

 我々が住む天の川銀河は、40億年後にはアンドロメダ銀河と衝突し融合すると見られている。ただこの頃には太陽が膨張していて、地球は干上がり生命の住めない惑星になっている。よって、衝突したことで地球が致命的なダメージを被ろうが、人類はそれ以前に滅んでいるので憂うこともない。