タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

日本沈没を考える

 今年もおだやかに年が明けた。元日早々の仕事は家の前の雪かきであった。富山市の積雪は41cmで平年よりちょっと多めといったところであった。
 年末に、録画してあったTVドラマ「日本沈没」をまとめて一挙に見た。最終的には日本列島が、北海道と九州を残して沈没するという有り得ない設定ではあったが、私は一方で、氷河期が終わり温暖化して海水面が上がって来た時、我々の祖先は同じような境遇にあったのかもしれないと思った。
 一番最後の氷河期は、およそ7万年前に始まり1万年前に終了した。最盛期には海面が約120mも低下したため、対馬海峡も浅瀬となり、対馬暖流の流入も止まったと推定される。また、インドネシアとマレーシアの間は陸続きとなりスンダランドという広大な土地が広がっていた。下図のニアー洞窟からは38000年前の人骨が見つかっており、これは日本列島へ人類が到達した時期とほぼ重なる。
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 今から15000年前の縄文時代が始まる頃になると、氷河期が次第に終わっていく中で気温が上昇し始め、それに伴い海水面も上昇した。東南アジアに広がっていたスンダランドの多くの土地が海に沈み、スマトラ島、ジャワ島、ボルネオ島が残った。日本海には対馬暖流が流入し、この暖流が産み出す水蒸気が雪と雨をもたらし、日本を四季のはっきりした豊かな国へ変えていった。温暖化は今から6000年前ぐらいにピークとなり、気温は今より1,2℃高く、海水面も今より4,5m高かったと推定されている。
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上図は縄文時代前期の関東地区の海岸線を示している。「日本沈没」では、最初に関東の沿岸部が沈没したが、上図はその時の様子に良く似ている。我々の祖先である縄文人は、日本沈没を経験済みなのである。
 太平洋上には太古の昔、ムー大陸があったという伝説がある。スンダランドにいた人類が海に沈み行く土地を離れる際どう思い、その思いを子孫へどのように伝承したのであろうか?