タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

GoToキャンペーン その4

 昨日はGoToキャンペーンとして、過去に何度か訪れた黒部川上流にある宇奈月温泉に行って来た。前回行ったのは5月下旬であり、新型コロナの第4波がまだ収まっていなかったため、食べ放題の大宴会場はあちこちに空席が目立ったが、昨日は日曜の夜(翌日は平日)にも関わらず、時間制入れ替え方式の席は泊り客で埋まり、受付やドリンクバーには待ち行列ができていた。観光業界に活気が戻って来たのは良いことだが、利用客にとっては、予約が取りにくくなり(料金が高い土曜日から予約が埋まる)、出る料理の質も下がり(前回は大型のカニが並んだが今回はサイズが落ちた)、お得な旅行ではあるのだが、そのお得感がちょっと萎んでしまった。
 今朝は6時に露天風呂で、真っ暗な空から落ちて来る雪をずっと見ていた。気温は1℃、水気を含んだ重い雪が、軒下のライトに照らされ白い線となって降っていた。冬の露天風呂は実に良い。体は湯で暖かく、顔には冷気が当たって気持ちが良いのである。私が俳人なら、一句ひねっていたことであろう。ふと、豊臣秀吉有馬温泉をこよなく愛したことを思い出した。秀吉は馬車馬のように働き貴族のように遊んだわけだが、今では一般人が、年金暮らしで朝湯を楽しむことができる。私の父母も祖父母も曽祖父母も、こんな贅沢な暮らしはできなかった。そう考えると、良い時代になったものだと思う。
 ただ、この贅沢な暮らしが、化石燃料をせっせと燃やすことで維持されていると思うと、先祖に対しても子孫に対しても心苦しい気持ちになる。思うだけで何もできないのだが。