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Covid19の後遺症の原因が明らかに

 最近、World Organizationの研究者たちにより『Pathogens』に掲載された論文によれば、新型コロナウイルス感染後の長引く後遺症が EBウイルスと呼ばれる、既に体内に潜んでいた別のウイルスの再活性化によって引き起こされていることが示された。新型コロナウイルスに感染すると、体内で潜伏状態にあったEBウイルスが目を覚まし、「脳の霧」に代表される、長期的な後遺症を発症させていた とのこと。
 新型コロナウイルス感染症EBウイルスの関係は、最初武漢大学の医師により報告された。その医師は、2020年の1月9日から2月29日にかけて、67人の入院患者に対して調査を行ったところ、55.2%の患者においてEBウイルスが活発に働いていることを発見した。イタリアでは、新型コロナウイルスに感染してICU入りした重症患者の95.2%でEBウイルスの再活性化を確認。またフランスでもICU入りした重症患者の82%、オーストリアにおいてもICU入りした重症患者の78%でEBウイルスの再活性化が確認された。
 そこで今回、World OrganizationのジェフリーE・ゴールド氏らは、新型コロナウイルスの後遺症に悩む人々とそうでない人々のEBウイルスの活性度の違いを改めて確かめてみたところ、後遺症に悩む66.7%の患者の体内においてEBウイルスが再活性化している一方で、後遺症がない患者の体内では、EBウイルスの再活性化している割合はわずか10%に過ぎなかったことが確認された。
 この文献を読んで改めて、「我々の回りにも体の中にもウイルスが一杯いる」と思った。因みにEBウイルスとは、以下のようなものである。
 -唾液に潜むウイルスであり、新型コロナウイルスと同じくエンベロープを持つヘルペスウイルスの1種
 -感染のほどんどは幼児期から思春期にかけて、両親や友達・恋人などの唾液を通じて行われるが、子供が感染しても症状は現れない
 -成人してからキスなどを介して感染した場合は、倦怠感や不眠症、頭痛、思考がはっきりしない脳の霧といった、新型コロナウイルスの後遺症とソックリの状態が、数か月以上にわたって続く
 -人類の成人のおよそ95%は既にEBウイルスに感染している

 EBウイルス以外でも、再活性化すると厄介な症状を引き起こすウイルスがいる。帯状疱疹は、体内の水痘・帯状疱疹ウイルスが活動を再開することで発症する。子どもの頃にこのウイルスに初めて感染すると、水ぼうそうを発症する。そして、水ぼうそうが治った後も、このウイルスは脊髄から出る神経節という部位に潜んでいる。普段は体の免疫力によってウイルスの活動が抑えられていて発症することはないが、免疫力が低下するとウイルスは再び活動、増殖し始める。そして、ウイルスは神経の流れに沿って神経節から皮膚へと移動し、帯状に痛みや発疹(ほっしん)が出る帯状疱疹を発症する。

 新型コロナウイルスとの戦いはまだまだ続く。この第5波を乗り切っても、次にラムダ株との戦いが待っている。そして、ラムダ株との戦いを乗り切ったところぐらいから、「戦争」という非常時における軍隊による戦いから「治安維持」という平常時における警察力による戦いへと変わってくるだろう。また、そうなるよう、感染症法での「2類相当」から「5類」への引き下げが必要になるであろう。