タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

そろそろコロナ後のことも考えないと

 トヨタ自動車は昨日、今期第1四半期(4-6月期)決算を発表した。連結営業利益は9,974億円で通期営業利益(会社予想)2兆5,000億円の約40%を第1四半期だけで稼ぎ出した。今期連結営業利益は3兆円台に乗せ、過去最高益を更新すると予想される。このコロナ禍での好決算に驚かされる。
 また、先月財務省は、2020年度の国の一般会計税収が60兆8216億円となり、2年ぶりに過去最高を更新したと発表した。20年度税収は当初予算で63.5兆円を見込んでいたが、新型コロナの影響を踏まえ昨年12月の補正予算で55.1兆円に下方修正されていた。実際はその修正値より5.7兆円程度上回ったことになる。f:id:TatsuyaYokohori:20210805154414p:plain
 グラフ左は税収の推移を表している。またグラフ右は、税収を消費税、所得税法人税とに分類し1990年度と2020年度とで比較して示している。これを見ると、税収総額はここ10年ほど毎年増えて来てはいるが、それは消費税の増収に頼ったものであり、所得税法人税も30年前に比べて逆に減っていることが分かる。これぞ正に「失われた30年」を如実に表している。
 日本はこの30年で経済が停滞し、GDP世界第3位を辛うじて維持しているが、一人当たりのGDPでは世界23位と中流国に成り下がり、27位まで順位を上げた韓国に肉薄されるまでになっている。
 新型コロナが収束した後で行ってみたい国の一番が日本である。そりゃそうなるだろうと思う。海外の富裕層にとっては、日本のホテルはコンパクトで安いし、食べ物は美味しくて安い。サービスにはおもてなしの心が詰まっていて、しかもチップは要らない。交通機関は時刻に正確で安全、そして自然も歴史遺産もアトラクションも充実していて観光資源の宝庫。だいたい海外観光客にとっては、ウォッシュレット便座にさえびっくりし、コンビニへ行けば感激するのだから、一度は行ってみたい、いや何度でも行きたいという人が世界中にあふれるほどいても、左程不思議ではない。ただ、これを素直に喜べない。何故ならこれは、日本が相対的に貧乏になっている証拠だからである。f:id:TatsuyaYokohori:20210805155148p:plain
 上は日本と米国の株価推移を表している。日本も米国も新型コロナの影響を受け、昨年3月に株価は暴落して底値を付けたが、その後一本調子で上昇し、今年2月には日本で3万円台まで回復した。上図はその株価が、今年2月以降で日本が下落傾向に反転し、米国が上昇傾向維持にあることを示している。またもや、日本だけ経済が停滞する悪い兆しが出て来た。新型コロナ感染拡大の収束がまだ見通せない状況ではあるが、そろそろコロナ後のことも考えるべき時期になってきたと思う次第である。