緊急事態宣言下無観客オリンピック開催決定

 政府が昨日、12日から東京に緊急事態宣言を発令することを決め、また4都県でのオリンピック競技を無観客で行うと発表した。誠に残念なことである。今回の政府の対応は、東京都議会選挙結果を受けての早めの処置に見えるが、私は、世論がマスメディアのミスリードにより間違った方向に動いていると思っており、政府としては「あるべき方向」に世論誘導して欲しかったという気持ちである。
 私は以前から、「新型コロナ対策は、感染者数ではなく死者数を基準とすべき」と考えており、この考えは、ワクチン接種が進む現フェーズにおいては一層顕著になってきている。6月6日のブログでは、ワクチンの効果により各国がどういう状態になっているかを比較し考察したが、今日も同じことをやってみた。
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 上表は、10万人当たりの新規感染者数と死者数とを直近の7日平均にて比較したものである。英国については、デルタ株の影響により感染者数は前回6月より急激に増えたが、死者数は低く抑えられたままでいる。米国では、前回より感染者数も死者数も低減している。そして、この改善された両国の値は、日本の値よりも悪いのである。
 この感染症はだんだん「都会の病気」になってきた。日本においても、騒いでいるのは東京都とその近県のみである。上表の右端列は、リバウンドが顕著になった東京都の昨日と一昨日の平均値を示しているが、死者数においては、東京都と日本全国平均は同等であり、英国や米国よりかなり低いことが分かる。ここで死者数を基準に対策を考えるとの方針に切り替えれば、東京都の値は米国の値より低く抑えられているので、入場制限が撤廃された米国大リーグに習って、オリンピックは入場制限無しでやっても良いことになる。
 対策は科学的に行うべき との意見があるが、シミュレーションを科学と考えるのは間違いである。感染シミュレーションは経済学者の株価予測と同じように外れることが多いと思った方が良い。しかも感染シミュレーションは、「厳しめな結果を出すことをヨシとする」を原則として出される。厳しめに出して世の中に警告を与える方が、結果が外れても「警告を出して皆が注意したから、結果として良かった」と言い訳できるからである。そして最悪なのは、未だに感染者数をシミュレーション対象としている点である。
 政府は今回も、緊急事態宣言下での酒類提供の厳格化を表明している。科学的にやろうとするなら、科学とは言えないが、せめて統計データを使って「感染確率が最も高い家庭内感染を抑えるため、1都3県の住民は今後家庭内でもマスク会食すること」と言うべきである。そしてこれが馬鹿げたことと理解できるなら、同様にして酒類提供の厳格化が馬鹿げた施策と理解すべきである。