タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

カタツムリの成長に適した形

 6月の空梅雨が、7月に入りがらりと変わり、一挙に梅雨末期の様相を呈してきた。大きく変わった要因は上空を流れる偏西風の蛇行にある。6月中は偏西風が朝鮮半島辺りから南へ蛇行し、日本列島に冷たい空気を送り込んでいたが、7月に入り朝鮮半島辺りから北へ蛇行するようになり、南の暖かい空気が流れ込むように変わった。この様変わりにより、太平洋側では被害も出ているし、ここ富山でも昨夜から大雨となり今朝には警報も出た。

f:id:TatsuyaYokohori:20210705130834p:plain
 写真は、雨が上がった昼前、日課のウォーキングをしていた際に撮ったもので、ブロック塀に多数のカタツムリが悠然と活動していた。
 カタツムリは卵から孵った時、殻を付けて生まれて来る。この殻の主成分は炭酸カルシウムであるから、成長するにはせっせとカルシウムを摂取しなければならない。カタツムリがブロック塀に群がるのは、コンクリートを食べてカルシウムを摂取するためだ。カタツムリの触覚(2本の角)がある頭部の下には口があり、口内の底部には歯舌があって、この歯舌でコンクリートを擦り取って食べる。歯舌の数は1万本以上であり、歯が1番多い動物と言っても良い。
 カタツムリの殻は巻貝と同じように巻いている。この巻貝の形は進化の結果到達した最良の形となっている。脊椎動物が内骨格であるのに対し無脊椎動物は外骨格を基本としている。外骨格で成長する際、例えば昆虫類では脱皮が必要となる。カニやエビも脱皮しないと成長できない。ところが巻貝の類では、殻の形を相似形に保ったまま、殻の入り口を次第に大きくして成長できる。生まれた時は殻の巻き始めの位置に陣取り、成長するに従い殻の入り口の方へ引っ越しすれば、脱皮しなくても成長できるのである。これぞ正に進化の結果到達した理想の形と言える。