変異株に対するワクチン3回接種の効果

 昨日は、変異株(E484K)に対しワクチンが効かなくなる可能性について述べた。ワクチンと抗体量の関係については、3/9のブログで基本的な考え方を示しているが、ここ最近得られた情報を加味して再考した。
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 上図はファイザ製ワクチン接種回数と抗体量の関係を示す概念図である。3つの各山は、1回接種、2回接種、3回接種した場合の、接種者の抗体量を基準としたばらつき度合いを正規分布曲線にて表現している。3/9のブログでは、1回接種と2回接種の2つの山が非常に接近して書いてあったが、最近、石川県のワクチン接種済み医療従事者が感染したニュースがあり、この事実は、1回接種だけでは、多くの人で不十分であることを暗示している。かと言って、英国は1回接種だけで周辺国(仏、独、伊)よりはるかに低レベルに感染を抑えこみできているので、1回接種だけでも相当数が十分な抗体量を保有に至っているはずである。このような状況を踏まえて、上図のようなイメージを描いた。この図では、1回だけでは4割程度が不十分になるが、2回接種すれば、基準値未達集団を5%程度に低減でき、これは有効性95%を示していることになる。
 次に、変異株対策についてだが、先日米国がワクチン3回接種計画(booster shot)に入ると発表した。米国はいつも一歩先を読みながら戦略的に動くので、日本も見習わなければいけない。私も、変異株対策として「ワクチン3回接種作戦」は十分効果的だと思っている。この有効性を絵にしたのが上記概念図である。この図が正しいとすれば、E484K変異株が主流になって流行り出すと、より多い抗体量が必要となるので、抗体量の基準値が右へ動く。そうなると、ワクチン2回接種済みの人でも4割程度が感染の危機に晒されることになる。ところが3回接種すると、その割合を2割以下まで下げることができるのである。
 なお、上述内容は概念を述べたものであり、数値に対するエビデンスは全く無い。ただ、作戦を立案し、それを作戦遂行者に理解してもらうには、このような概念図が絶対必要であり、これ無しでは作戦も頓挫するであろうと思う次第である。