タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

緊急事態宣言解除2週間前

 緊急事態宣言が延長されて2週間が過ぎた。今日から2週間後の3月7日に宣言期間の期限を迎えることになるが、解除されるかどうか大いに気になるところである。そんな中 19日に、大阪府の吉村知事は2月末での宣言解除を要請すると発表した。政治家として、非常に勇気ある立派な態度だと思った。何故なら、今この時点で敢えて宣言解除を叫ばなくても、誰もそれを非難しない一方、逆に実際解除を早めて感染者数がリバウンドした場合、言いたい放題の評論家連中に激しくたたかれることが明らかだからである。つまり彼は、自分の政治生命が危うくなるリスク と 経済を止めて失われる命および損失を天秤に掛け、宣言解除の方を選択したことになる。
 世の中、声が大きい方の意見で動いている。一般大衆は、このコロナ禍で不自由な生活を余儀なくされてはいるが、ほとんどの人は給料が下がったわけでもなく、生活には困っていない。そしてこういう人達がだいたい8割いる。この大多数の人達の意見が世論を形成することになるが、本当に困っている人達の声は、なかなかこの本当に困っていない人達の耳には届かない。だいたい、本当に困っている人はサイレントボイスである。人知れず店をたたみ、人知れず自死する。
 吉村知事は、時短協力金が出る飲食店の陰で、飲食店やその客と関係する沢山の人々が、支援金ももらえずに苦しんでいると話した。失業率が増えると自殺者が増えるという経済常識にも触れた。また、きちんと解除基準を決めておくべきとも言った。私も全く同意見である。単なる「感染するのが怖い」程度の傍観者的人達が形成する世論でもって、もう実際増えていて、放っておけば確実にもっと増えると分かっている声無き自殺者を無視して良いのだろうか と思う次第である。