タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

防災を考えての気象予報

 昨日のブログで「今回は豪雪にならない」と書いたが、今朝の時点で富山市の積雪は45cmで、しかも寒気の中心が通り過ぎており、予想通り、豪雪にはならなかった。しかしながら45cmの積雪は大雪であることには変わりなく、昨日の時点で富山県全域に大雪警報が発令され、本日は富山市の小中学校が臨時休校となっている。
 今回の大雪と1月上旬の豪雪では被害の程度が大きく異なる。今日は防災という観点で気象予報がどうあるべきかを考えてみた。f:id:TatsuyaYokohori:20210218155027p:plain
 上の写真は豪雪時と大雪時の拙宅前の比較であるが、除雪に投じる労働力が両者で全然異なることが一目で分かる。ここで被害量を除雪に必要な労働力と捉えると、それは積雪量に応じて増加するが、ある点を過ぎてからギヤチェンジして急に増加度合いが上がることが分かる。積雪量がある点を超えると雪の捨て場が無くなり、除雪のモードが雪の掃き出しモードから積み上げモードに変わるからである。写真の例で言えば、積雪量はおよそ3倍の違いであるが、体感的被害量は10倍以上ある。桁違いなのである。
 防災を考えての気象予報のポイント一つ目は、「被害量は積雪量がある点を超えてから加速度的に増して行く」という点を理解し、その上で「豪雪」と「大雪」を被害量において「桁違い」と捉え、大雪に対して「大雪警報」を発するなら、豪雪が予見できた時は、「大雪特別警戒警報(注:現時点でそんなものは制定されてない)」を出し、しっかり区別して注意喚起しなければならない という点である。
 二つ目のポイントは、「里雪型の理解」である。昨日のブログで説明したが、豪雪は「里雪型」となった時起こる という点を理解し、予報においても、もし山間部よりも平野部の積雪量が多いと予想された場合は、積極的にその旨をアナウンスしなければならない。1月の豪雪時には、除雪能力が充分ある山間部で積雪が少なく、能力の手薄な平野部で多量の降雪となったため、市街地の道路のあちこちで、除雪不十分のための車の立ち往生が発生した。そして急遽、山間部担当の除雪部隊が市街地の除雪応援に駆け付けることとなった。気象予報の際、もっときちんと「里雪型」を理解し注意喚起すべきだと思う次第である。