コロナ禍での貧富の差拡大

 昨日、東証が30年ぶりに2万9000円台を回復した。またソフトバンクグループが、「2020年4月~12月期の純利益が3兆円を超えた」と発表した。米携帯大手の株式売却で多額の投資利益が出ており、本業の方でもテレワーク関連事業が好調とのこと。GAFAM(Google, Amazon, Facebook, Apple, Microsoft)も皆好調であり、このコロナ禍の中で世界が急激に変わってきていると感じられる。
 一方で、総務省統計局の2020年12月家計調査では、勤労者世帯の実収入は前年同月比で実質1.3%の減少と報告された。コロナ禍で富裕層が資産を増やし、一般庶民が収入を減らしている構図が透けて見える。f:id:TatsuyaYokohori:20210209130546p:plain
 上図は野村総合研究所の資料の抜粋であるが、日本の世帯を、保有する純金融資産(預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など)にて層別し、各層の世帯数がどのように推移したかを表している。富裕層を「純金融資産を1億円以上保有」と定義すれば、2019年時点で日本には2.5%の富裕層が存在する。
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 上図は世帯グループ別の資産総額の推移であるが、リーマンショック(2008/9)での落ち込み以降、富裕層の保有する資産が増え続け、2019年時点で富裕層が全体の21.4%の資産を保有しているのが分かる。
 リーマンショックでの落ち込みを回復するのに4,5年を要したが、今回のコロナショックでは、株価は1年足らずで回復していて、現時点でもう一段上の高値を臨む展開となっている。2020年において、マス層の資産が減る一方、富裕層や超富裕層の資産が大幅に増えていると予想される。
 福沢諭吉は「学問のすすめ」の中で『人は生まれながらにして貴賤の別なし。ただ、学問を務めて物事をよく知るものは貴人となり、無学なるものは下人となるなり』と言っている。これの延長線上で、『まじめに働けば富裕となり、働かざる者は貧乏になる』という原理が働く社会になれば良いのだが、資本主義をどのように修正すれば良いのだろうか?