タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

鳥インフルエンザ発生

 人間界では新型コロナウイルスの話で持ち切りだが、鳥類界では鳥インフルエンザが流行しているようである。ここ富山県でも本日、国内38例目(16県目)となる鳥インフルエンザが確認されたと発表された。県の発表によれば、養鶏場が持つ6棟中2棟の鶏舎で2000羽が死んでいるのが確認され、検査結果は陽性だったという。
 鳥インフルエンザウイルスは水禽類(水鳥)の腸管で増殖し、鳥間では水中の糞を介して感染が広がる。ただ、水禽類では感染しても宿主は発症しない。ウイルスの中には、家禽類のニワトリ・ウズラ・七面鳥等に感染すると非常に高い病原性をもたらすものがある。このようなタイプを高病原性鳥インフルエンザと呼び、世界中の養鶏産業にとって脅威となっている。今流行っている鳥インフルエンザは正に「高病原性鳥インフルエンザ」だと思われる。
 人間界にも鳥類界にも病原性を発揮するウイルスが存在する。ただこれらのウイルスには自然宿主という安住の地があって、この自然宿主の中では大した病原性を発揮せず共存状態が続いている。そんなウイルスが時々種の壁を越えて自然宿主以外の種に感染すると、パンデミックが起きる。(種の壁については12/12ブログを参照ください)
 ウイルスを撲滅できるか考えてみた。天然痘は人類が撲滅した唯一のウイルス感染症になると思う。私は、天然痘は撲滅できたがインフルエンザやコロナは撲滅できないと思う。理由はウイルスの違いにある。天然痘ウイルスはDNAウイルス(2本鎖)であるのに対し、インフルエンザウイルスやコロナウイルスRNAウイルス(1本鎖)であり、変異が各段に速い。もう一つの理由は、自然宿主の違いである。天然痘ウイルスはラクダから人類へ入り、そこで変異して原型ができたと考えられている。一方でインフルエンザウイルスの自然宿主である水禽類やコロナウイルスの自然宿主であるコウモリ目は、種の広がりと移動範囲の広がりにおいてラクダをはるかに凌駕しており、これらの自然宿主から種の壁を超えて他種へウイルスが頻繁に撒き散らかされている。要は感染の源を絶つことができないのである。