タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

医療崩壊対策

 米国に住む息子のFacebookに「ファイザー社のコロナワクチンを接種した」と書いてあった。「予防接種の流れはインフルエンザの時と同じ」とか「インフルエンザの時は接種後多少気分が悪くなったが、今回は全く問題無かった」とも書いてあった。英国や米国はやることが速いなと思った。
 一方で日本では、緊急事態宣言の対象地域が1都3県に加えて7府県が追加され11都府県に拡大された。皆 感染拡大がなかなか収まらないことにイライラしている。そしてその理由と責任を誰かに負わせようとしている。人間はイライラすると免疫力が落ちるので、この状態は良くない。
 メディアは昨年12月頃「GoToキャンペーン」を感染拡大の主犯と決めつけ政府批判を煽った。これが内閣支持率の低下となって現れ、菅首相はGoToトラベルを全国一律に停止してしまった。地方でGoToトラベルを使い地元の温泉へ自家用車で行って免疫力を上げ、同時に地元経済が潰れないようにしようという計画も続々とキャンセルとなった。そして年が明けて、GoToトラベルが停止となっているにも関わらず感染拡大が止まらなかった。これは、メディアの予想もその裏にいた専門家の予想も外れたことになる。しかしメディアはそんなところに責任を取る必要がない気楽な商売である。
 ここ数日メディアは「医療崩壊が起きてない欧米に比べて感染者が桁違いに少ない日本で何故医療崩壊が起きるのか」という問題に焦点を当てるようになってきた。この姿勢は私も評価したい。何故なら私は、死者を最少にすることが根源的目標であり、そのためには「医療崩壊を起こさない」という目標達成のための2次的な手段があり、「感染拡大を止める」はその2次的な手段を達成するための3次的な手段でしかないと考えているからである。そして2次的手段である「医療崩壊を起こさない」自身が問題になっている現時点において、そこに対策の手を入れる方が即効性があると思われるからである。
 昨日、日本医師会会長は「もう医療崩壊は始まっている。このままでは医療壊滅になる」、「医療崩壊から脱却するには、あらゆる取り組みの強化徹底が必要だ」と訴えた。また一方で「情報ライブ ミヤネ屋」に出演した元WHOコンサルタントで医師の木村もりよ氏は、「日本の病院は、民間病院8割、(公立)公的病院が2割であり、コロナ対応にあたっている病院が公立・公的病院が大半である」と説明し「新型コロナウイルスというのは国家の危機ですから、(民間も含めた)医療総動員でやっていただかなければいけない」と指摘し、日本医師会の更なる協力を訴えた。
 日本医師会会長は8割が民間病院である医師会の会長なので、その団体の利益が損なわれないよう発言しなければならない。現時点で新型コロナウイルス感染症は指定感染症の2類に位置付けられているので、こんな感染症の対応ができる病院が民間にはそう多くないという説明も十分理解できる。しかしながら、日本医師会が現状を国家の危機と捉え、「ありとあらゆることをしなければならない」と考えるなら、更なる協力要請に応えるべきではないだろうか。