タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

積雪量は何に依存する?

 昨年末の30日から降り始めた雪は今日1月2日も降り続いているが、今のところ予報で言われたような「数年に一度の寒波」とか「前回の関越高速道に立ち往生を引き起こした以上の寒波」といった「猛烈」という印象はない。ここ富山市においても積雪量は前回以下であり、この程度の寒波なら50年前であれば1シーズンに何回もあったと思った次第である。確かに昔は12月に田畑に降り積もった雪は根雪となって残り、3月の春になるまでずっと溶けなかった。それでは、予報が外れた理由は何であろうか?

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 上図は前回と今回の雪が降り始めた時点の天気図と衛星画像である。これを見ると確かに、前回よりも今回の方が等圧線の間隔も狭く、降雪地域も広範囲に広がっている。これは、寒波の規模としては前回より今回の方が大きいことを示している。つまり気象庁の予報としては外れてはいなかったのであり、外れたのは 大寒波=積雪量大 と思い込んだ素人の憶測の方だったと言える。
 それでは、前回より大きな寒波でありながら、積雪量が少なくなった理由は何だろうか? 私が考える主因は海面温度の変化である。こう考える理由は昨年9月に襲来した台風10号にある。台風10号は、一時「大型で非常に強い」台風となったことから過去最強クラスと言われ、特別警報の発表も予想された台風である。しかしながら、九州西の東シナ海を通過時の気圧は、予報の920hPaに対し実際は945hPaまで衰え、特別警報の発表も結局は見送られた。この予報が外れた理由は、4日前にこの辺りを通過した台風9号が海水温を下げてしまっていたからだと考えられている。
 日本海側の雪のおおもとは日本海の海面から発生する水蒸気である。前回の寒波で積雪量が多かった理由は、この時期にしては非常に強い寒気に加えて、この時期にしては高い海水温、この二つの条件が重なったためだと思われる。そして今回の寒波では海水温が十分下がっていたため、寒風が日本海を通過する時の水蒸気発生が前回より少なくなり、積雪量も少なくなったと考えられる。