タテよこ斜め縦横無尽

田舎の年金暮らしのたわごと

デルタ株最強説

 10/13のブログにおいて、「新型コロナ3ヶ月予報」を述べたが、その予想の前提条件として、「デルタ株以上に強力な感染力を持つ変異株はここ当分出現しない」とした。今日はこの前提条件がどの程度確からしいかを考察する。
 まず、デルタ株が現時点で最強かどうかを検証する。
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上表は10月9日時点で、各国でどんな変異株が流行っているかを示しているが、全世界でデルタ株一色になってしまったため、デルタ株の中の小分類(亜型)で区分するまでになっている。まさに最強株であるデルタ株が全世界を席巻してしまった感がある。ただこれだけでは、メインの株以外の株が有るのかどうか、あるいは新規の伸び盛りの株があるかどうか分からないので、各国毎、デルタ株およびそれ以外の株のシェアがどう推移しているかを見てみる。f:id:TatsuyaYokohori:20211018131117p:plain
 上図は米国、英国、日本、韓国の変異株のシェアの推移を示している。これらの4ヶ国において、この夏以降ほぼ100%デルタ株に置き換わったことが分かる。
 なお私は、8/19のブログでラムダ株の流行を心配しており、これらが流行っていた南米の状況も調べてみた。f:id:TatsuyaYokohori:20211018132824p:plain
上図は南米(ブラジル、ペルー、チリ)および 南アにおける変異株シェアの推移を表している。アルファ株以外が流行っていたこれらの4ヶ国においても、デルタ株が急速に拡大して最大のメジャー株になっていることが分かる。
 以上を通じて、現時点でデルタ株が最強株であることは間違いない。デルタ株は、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、イプシロン株、ミュー株、ラムダ株、イオタ株、これら全ての変異株を駆逐して最強の株に成りあがった。
 次に、このデルタ株が、ここ当分(向こう3ヶ月)最強であり続けるかを考察する。日本を例に検証すると、デルタ株が確認されたのは4月下旬、この頃インドではデルタ株が猛威を振るっていた。デルタ株がシェア50%を超えたのが7月であり、およそ3ヶ月を掛けて第1の主要株になったことが分かる。この傾向は他国でも同じで、この最強のデルタ株においても、出現(感染確認)からシェア50%超えになるまで、およそ3ヶ月を要している。今日本では、デルタ株以上の(以外の)強力な株は確認されてないし、世界中を探しても、デルタ株を超えるかどうか分からないが「警戒すべき」と認知された株は確認されてない。この状況は、「もしデルタ株以上に強力な変異株が、たとえ今日 世界中のどこかで生まれたとしても、その株が日本でシェア50%を超えるのは早くても3ヶ月後の来年1月中旬となる」ということを示している。
 今日は以上の考察により、「デルタ株以上に強力な感染力を持つ変異株はここ当分(向こう3ヶ月)出現しない」ということを確信した。







寒い中でのバーベキュー

 今日は、前年度町内会役員の皆さんとバーベキューをした。

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場所は前回と同じで、旧役員だった方の自宅の東屋。今日は、この秋に入って初めての冬型の気圧配置となり、時折 冷たい雨が降る中、バーベキューの炭火で暖を取りながら美味しい肉や野菜を焼き、ビールを飲み交わして楽しいひと時を過ごした。
 思い返せば丁度2年前、10月12日から13日にかけて台風19号が日本列島を襲い、その記録的な豪雨で北陸新幹線の長野車両基地が水没してしまったため、北陸新幹線が長野-糸魚川間で不通になってしまった。そして、折しもその1週間後に娘の結婚式が控えていた。会場は都内のホテル、富山在住の親類の皆さんは、長岡経由の上越新幹線で行く人、長野市まで車で行ってそこから北陸新幹線で行く人、名古屋まで高速バスで行ってそこから東海道新幹線で行く人、皆それぞれの方法で娘の結婚式に駆けつけてもらった。富山駅高岡駅には予約のキャンセルと変更で長蛇の列ができ、東京へ辿り着く前から一波乱も二波乱もあったわけだが、今となっては良い思い出となった。
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 上は今日12時の気圧配置であるが、西高東低の冬型の気圧配置になっているのが分かる。ただ、高気圧の中心が1034 hPa とそれほど高くなく、既に移動性高気圧になりつつあるので、北陸地方の雨模様も明日には解消するだろう。立山連峰は3000m級の山々で、山頂付近は平地よりおよそ18℃低い気温となるので、明日雲の切れ間から冠雪の立山が見えるかも知れない。





 

衆院解散 総選挙へ

 昨日衆院が解散され、総選挙へ向けて事実上の選挙戦がスタートした。先週の岸田首相の所信表明演説では、新資本主義の目玉の一つと思われていた「金融所得課税」等富裕層への課税強化は封印され、新資本主義は、当分の間は看板を降ろさず、羊頭狗肉作戦として「コロナ対策」のみを行うように思えた。
 これに対し野党の批判は止まない。ただ私としては、経済を知らない野党の批判は聞き流して、課税強化は当分封印するのが良いと思われる。だいたいにおいて、株式市場も、新資本主義課税強化の懸念から8日連続の下げを記録してしまい、これは世界の投資家が「そんなことをしたら日本は成長しない国になる」と警告した証拠なのだから、そんな歴戦錬磨の専門家の意見を聞くのが良いのである。
 国会論戦で「成長より分配を」と主張した立憲民主党に対し、「成長を優先」ときちんと答弁した点も良かった。成長無くして分配無しという「当たり前のこと」を野党も理解しないと、今後もずっと政権が取れないだろう。
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 上図は、私が考える各政党の位置付けである。縦軸が「外交・安全保障」、横軸が「経済」を指標とする。まず縦軸であるが、下方は、自衛隊を認めず、日米安全保障条約も無きものにして、ただ憲法第9条さえ守れば平和が実現できると思っている「理想主義(=非現実主義)」の方向であり、上方は、その反対方向である「現実主義」の方向である。また横軸であるが、左方は、「機会均等の平等」を超えた「結果の平等」を重んじる「平等主義」の方向であり、右方は、自由競争を是とする「能力主義」の方向である。各政党の位置付けは私の独断である点はご了解頂きたい。
 今回の選挙では「外交・安全保障」が争点となっていない。そのためかは分からないが、自衛隊を否定している共産党立憲民主党選挙協力をするという構図ができあがった。そして、そんなことに対し、支持団体である連合が文句を付けている。
 一方で横軸(経済軸)の方は「分配」か「成長」かで多少は争点になりそうだが、私としては、有権者が耳障りの良い非現実的な公約に惑わされず賢明な選択をして欲しいと願うばかりである。





娘と坊やが帰京

 今朝9時の新幹線で、娘と生後1ヶ月半の坊やが東京へ帰っていった。娘が、7月初めの まだ梅雨明け前の日に里帰りしてから3ヶ月半、久々の同居で夫婦二人だけだった生活がぱっと明るくなった。その2ヶ月後に坊やが生まれてからは、坊や中心の生活に変わり、便秘後の大量ウンチにも皆大喜びした。
 思い返せば、今年の夏は大変な夏であった。新型コロナが第5波で感染爆発して、そういう中でオリンピックを開催した。そして、そんな騒々しい中で坊やが誕生した。それにしても、娘が立てた計画は見事だった。出産の2ヶ月前、まだ東京が緊急事態宣言に入る前に安全な富山に疎開し、その後東京が直ぐに緊急事態宣言下に入り、そして、坊やを産んで1ヶ月後検診の日に東京の緊急事態宣言が解除された。私は、坊やが誕生した8/30のブログで、「坊やの誕生は、コロナ収束の起点を示しているような気がする」と書いたが、正にその通りになった。
 今日からまた夫婦二人の生活に戻る。灯が消えたような静かな生活に戻るが、娘や坊やにはネット越しにいつでも会えるから、次にリアルで会える日を夢見て、二人仲良く生きて行こうと思う次第である。

新型コロナ3ヶ月予報(後半)

 今日は一昨日から始まった「新型コロナ3ヶ月予報」の最終章で、第6波がどのようなものになるかを予想したい。まず、これから起こるであろう第6波が、ここまでの1波から5波の波の中で、どの波の形に一番近いかを考える。私は、第3波に似た波になると予想する、その理由は、
 ・2つがほぼ同じ季節で、感染拡大の要因の一つである「季節要因」が同様に働く
 ・強力な変異株による波ではない点が同じ
まずは第3波がどのような形の波だったかを確認する。
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 上図は第3波の新規感染者数の推移を表し、上の方が実数グラフで下の方が対数グラフとなる。対数グラフを見ると、第3波は、10月末から感染拡大率1.5倍/週 で立ち上がり、11月下旬からは拡大率を1.1倍/週に減速しながら、年末年始で一挙に4.5倍/週まで加速しピークに達したことが分かる。今度の第6波は、これと似た形になるだろうが、以下の点が異なってくると思われる
 ・ワクチン効果で感染拡大率は第3波より低い値となる
 ・人々の学習効果により、年末年始における自発的自粛が進みピークの山が低くなる
 ・イベントの繰り上げ実施が進み山が前寄りに来る
以上を加味して、第6波は以下の形になると予想する。
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 また今後は、新規感染者数以上に「重症者数」を最重要指標としてウォッチしなければならないので、重症者数と強い相関関係にある 新規死者数 もどのようになるかを考える。注目すべきは、ワクチン効果により、感染者数に対する死者数の比(致死率)が著しく下がっている点であり、これを考慮して上の感染者数の予想値をベースに推計すると以下となる。
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 以上の推計結果から、第6波のおおよその姿を以下のように予想する。
<第6波概要(予想)>
 ・第3波に比べて感染者数で約1/2、死者数で約1/4程度に収まる
 ・緊急事態宣言が発せられる状況に陥ることはない。
  (都道府県レベルの警戒アラートが発せられる程度で収まる)
また、懸念点は以下となる。
 ・ワクチン未接種である小中高校での集団感染があちらこちらで散発する
 ・ここ2年ほど流行しなかったインフルエンザが流行るかもしれない
なお、今回の予想の大前提には、「デルタ株以上に強力な感染力を持つ変異株はここ当分出現しない」がある。この前提が崩れると、今回の予想は大きく異なってくる。








新型コロナ3ヶ月予報(実効再生産数算定式)

 昨日は新型コロナ3ヶ月予報の前半と称して、現在の感染者減少傾向がいつ頃下げ止まりになるかを考察した。今日はいよいよ後半の第6波の感染拡大がどのように進むかの検討になるが、これをやろうとすると「実効再生産数」がどんな値で推移するかを予想しなければならない。そしてこれがなかなか難しい。
 だいたいにおいて、この実効再生産数というものは、ある時点までの過去データを統計処理して算出できるものだから、未来の値を予想する術は無い。今日は、敢えてその算定方法を編み出したい。
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 上表は、実効再生産数の算定方法を表としてまとめたものである。以下にその計算モデルを説明する。実効再生産数とは、一人の感染者が他の何人に感染させるかを示す指標であり、この値が1を超えれば感染拡大、1未満であれば感染縮小となる。現在、感染者数減少の状況が続いており、専門家にはその理由の説明が求められている。もし、この実効再生産数が、専門家らが言う「意識の変化」や「ワクチンの効果」をパラメータとして定量的に算定できるのであれば、これは将来の感染対策にとっての頼もしい拠りどころとして使える。上記算定表の基礎となる式は以下となる。
 -1. 他へうつす人数 = 接触者数 * 感染確率
 -2. 感染確率    = 感染対策すり抜け率 * ワクチン未接種率
この計算モデルは統計処理には使えない。この表で使われている「日常濃厚接触者」のような分類のデータが取れそうにもないからである。しかしながらこの計算モデルは「概念モデル」として使える。これを使えば、9月から第5波の感染者が急激に減少した理由がワクチン効果ではないと明確に断言できる。高々2週間でワクチン接種率は数%程度しか変わらないのだから、そんなもので実効再生産数が大幅に下がるはずがないのである。
 この算定表の中には、感染対策というパラメータがあり、私の見立てでは、このパラメータは通常の感染対策状態の日常(濃厚/軽度)接触環境では数%以内と見積もっている。そしてこの値がデルタ株出現時には15%程度にアップしたと考えている。それまでと同様の感染対策では感染してしまう人が続出したわけである。つまり、このパラメータはウイルスと人間との関係で決まり、特に家庭外の環境において新しい強力な変異株が出現した場合、値が大きく跳ね上がる特性を持つ。逆に言えば、デルタ株以上に強力な変異株が今後現れないと仮定すれば、第6波においても、実効再生産数の値が極端に跳ね上がることはないと予想できる。f:id:TatsuyaYokohori:20211012152910p:plain
 上表は第5波下げ止まりと第6波第1フェーズの実効再生産数の予想値である。明日はいよいよ第6波の感染拡大がどうなるかを予想したい。




新型コロナ3ヶ月予報(前半)

 気象予報には長期予報として3ヶ月予報がある。新型コロナの第6波がどのようになるかを予想できれば、これからの対策方針策定にも大いに参考になると思われるが、この道の専門家たちはそんな予想ができないでいる。もちろん、予想している人はいるだろうが、そんな 当たるも八卦当たらぬも八卦 的な予想を公表できるはずがない。第6波の予想は、だいたい向こう3ヶ月の予想となるが、気象予報風に言えば「新型コロナ3ヶ月予報」となる。メディアにもネットにもこんな予報が出そうも無いので、今日は、世間の注目も浴びなければ非難の対象にもならない私が、「新型コロナ3ヶ月予報」を考えてみる。
 今日は3ヶ月予報の前半として、第5波の感染者数減少がいつまで続き、1日当たりの全国の新規感染者が何人ぐらいまで低減するかを考える。f:id:TatsuyaYokohori:20211011143554p:plain
 上図は日本全国新規感染者数のグラフであり、上の方がニュース等で通常目にする実数グラフ、下の方が実数値を対数値に置き換えた対数グラフである。感染者数は指数関数的に変化するため、実数グラフを見ていても分からない傾向が、対数グラフにするとくっきりと浮かび上がる。対数グラフを見ると、9月初旬から始まった減少傾向が10月に入ってからも「減少率一定」で続いていることが分かる。ここで重要な点は減少率に鈍化傾向が見られない点である。
 10/7のブログでは、感染者数が減り続ける理由を説明したが、減少率が未だに一定ということは、実効再生産数がずっと一定ということを意味するから、デルタ株の特徴の何かが、高い減少率と長い減少期間の要因になっている可能性がある。心当たりがある。デルタ株は感染力の高さと並んで「発症率」が高くなっている点である。感染力が高いほど感染者数のピーク値が高くなるが、同時に発症率が高くなるため、感染した人のほとんどが発症し入院や自宅待機で隔離状態になるため、隠れ感染者が陰で静かに長い間感染拡大を続けることが無くなる。従ってデルタ株は、隔離による封じ込めがし易いウイルスとなり、すなわち、感染者数のピーク値がピンと高く尖ったあと急激に減少し、しかも、かなりの低レベルになるまで長い期間減少し続けることになる。
 未だに高い減少率を保てる理由はもう一つある。デルタ株を凌駕するような強い感染力の変異株が流行り出していないということである。第3波も第4波も感染者数が十分下がり切らずに上昇に転じたのは、それ以上に感染力の強い変異株が現れたからである。
 以上の考察から、この第5波は、昨年の第2波(次の強い変異株が直ぐには出現しなかった)の下げ止まりと同等レベルで下げ止まると考えられる。第2波と同じように、経済活動が活発になり、感染機会が増えることで下げ止まるのである。第2波のデータから感染者の下げ止まりの値は、240~250人程度になると推定される。また、減少率が次第に増加に転じて1となる時期に下げ止まりになるから、この条件で計算すると、下げ止まり時期は11月第1週となる。
<結論(=3ヶ月予想前半)>
 第5波の新規感染者数は10月一杯減少傾向が続く。
 ・下げ止まり時期          :11月第1週
 ・下げ止まり時の全国の新規感染者数 :240~250人